CDC(アメリカ疾病予防管理センター)報告書: 米国の自殺率、2022年に過去最高を記録


【Natural News】2023年12月4日 オリビア・クック著

 https://www.naturalnews.com/2023-12-04-us-suicide-rates-hit-all-time-high-2022.html

8月6日現在、全米保健統計センター(NCHS)が受理・処理した全2022件の死亡記録の99%以上に基づくデータ(暫定値)によると、米国では約5万人が意図的な自傷行為や自殺によって命を落とした。


暫定値の自殺者数49,999人は、2021年の最終的な自殺者数48,183人を3%上回った。

 

自殺率は2021年の10万人当たり14.1人から2022年には1%上昇し14.3人となり、NCHSが1941年に統計を取り始めて以来「過去最高」となった。

 

死因が未解決のまま死亡診断書が追加された場合、その死因が自殺であると確定される前に、死亡にまつわる状況の調査が必要となるのが一般的であるため、自殺による死亡の最終的な数はもっと多くなる可能性が高いと、同機関の研究者は指摘している。

 

男性の自殺者数は2021年の38,358人から2022年には39,255人と2%増加し、女性の自殺者数は2021年の9,825人から2022年には10,194人と4%増加した。2022年の暫定的な男性の自殺者数は、女性の自殺者数の約4倍であった。

 

35歳以上の全年齢層の自殺率は、2021年の3%から2022年には9%へと増加し、35歳から44歳(18.1から18.7へ)、45歳から54歳(18.2から19.2へ)、55歳から64歳(17.0から18.5へ)、75歳以上(20.3から21.3へ)で大幅に増加した。

 

一方、10歳から34歳の自殺率は、2021年から2022年にかけて、10歳から14歳(18%減)、15歳から25歳(9%減)、25歳から24歳(2%減)と、すべての年齢層で減少した。

 

著者らは、この報告書から得られた唯一の良いニュースは、人口動態統計システムによるものだと指摘した。

 

35歳以上の男性のほとんどの年齢層で増加がみられ、45歳から54歳、55歳から64歳では大幅な増加がみられた。25歳以上の女性はすべての年齢層で増加し、25歳から34歳では顕著な増加が見られた。

 

■■ アメリカのメンタルヘルス危機


メンタルヘルスの専門家は、米国で100万人以上が死亡し、経済に根本的な影響を与え、多くの人々が恐怖、孤独、社会的孤立を余儀なくされた武漢コロナウイルス(コビッド19)の大流行後、精神的苦痛を抱える人々を助けるための「広範な苦闘」を反映した報告書であると述べた。

 

サンフォード・ヘルスの心理学者ジェフリー・ライヒター博士は言う。

「私たちの経済的な健康と社会的な基盤に亀裂が生じ、私たちはまだその後遺症を経験しています」

 

医療従事者の不足と違法薬物(乱用薬物、危険薬物、デザイナー・ドラッグ、偽薬物)の密売が、自殺者の増加を促進している、と専門家は付け加えた。

 

連邦政府のデータによれば、精神医療はパンデミック以前に比べて見つけにくくなっており、アメリカ国民の約半数が精神医療の専門家を利用できない地域に住んでいるという。

 

21世紀に入って着実に増加する自殺者数を受け、ヴィヴェック・マーシー米外科長官は2021年に自殺予防のための国家戦略と青少年とメンタルヘルスに関する勧告について行動を起こすよう呼びかけた、とABCニュースは報じている。

 

昨年7月、米国保社会福祉省の薬物乱用・精神衛生サービスは、3桁の「988自殺・クライシス・ライフライン」を開始した。

 

連邦政府のデータによると、開始以来、988ライフライン・ネットワーク・センターには約700万件の電話、チャット、メールが寄せられ、そのうち9月だけで50万件以上が寄せられたという。

 

JAMAネットワーク・オープン誌に掲載された調査によると、回答者約5000人のうち約6%が、深刻な精神的苦痛を感じているときに988を利用したと回答し、そのうち約3分の1が今後も利用すると答えた。