ドイツ・フォルスト近郊で、ポーランドから不法に国境を越えてきた移民の集団に話しかける連邦警察官(2023年10月11日撮影) © AP / Markus Schreiber
【RT】2023年11月4日
https://www.rt.com/news/586582-austria-germany-deport-migrants/
ドイツは移民政策を強化すべきであると、オーストリアのアレクサンダー・シャレンベルク外相が述べた。
オーストリアのアレクサンダー・シャレンベルク外相は11月4日(土曜日)、EUは対外的な国境警備と強制送還を強化しなければならない、さもなくば政府は崩壊すると警告した。
シャレンベルク外相は特にドイツに対し、「不法移民対策を最終的に議論する」よう求めた。
「ひとつはっきりしていることがある。移民の圧力は今後数年減少することはないだろう。移民問題は政府を崩壊させかねない問題なのだ」
欧州連合庇護庁の数字によれば、今年上半期にEUに亡命申請した人は50万人を超え、2022年の同時期と比べて28%増加した。
一方、EUの国境機関であるフロンテックスによると、2023年の最初の8ヵ月間にEU圏内に入国して摘発された不法移民の数は、18%増の23万2350人に上った。
このような移民増加の中、以前は移民政策が緩やかであった国々が、より厳しい姿勢を取り始めている。
デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、アイスランドは11月3日(金曜日)、強制送還便の増便で協力することで合意した。
不法入国が2016年以降で最高水準に達すると予測されているドイツでは、オラフ・ショルツ首相が先月、「ドイツに滞在する権利のない人々を最終的に大規模に強制送還する」と発表したが、これを可能にする法案が議会で承認される必要がある。
今年、移民がドイツに押し寄せるにつれ、ショルツの支持率は低下した。彼の政党であるSPDは、6月に右派の「ドイツのための選択肢」(AfD)に追い抜かれるまで、ドイツで2番目に大きな党派だった。
AfDは2013年の結党以来、厳格な移民規制を訴えており、ポリティコがまとめた集計によると、現在SPDを5ポイント上回っている。
ロイターが先月引用した世論調査によると、ドイツ人の約86%が移民を懸念しており、昨年の67%から上昇している。
9月の調査では、ドイツ人の3分の2が難民受け入れの制限を望み、80%が政府は移民を十分に強制送還していないと考えている。
「強制送還の問題は、亡命・移民システム全体のアキレス腱だ」とシャレンベルク氏はビルト紙に語った。
「EUに居住する権利のない人々を強制送還できなければ、このシステムは不条理なものに成り下がる」
ドイツ内務省によると、9月末現在、ドイツに居住し、国外退去を義務づけられている人は約25万5000人いるが、約20万5000人は合法的に国外退去させることができない。
シャレンベルク氏は、「ドイツは不法移民対策を最終的に議論する時期に来ている」と述べた。
強制送還の増加は、EU諸国が移民の出身国と二国間協定を結び、彼らの帰還を受け入れなければならないという事実によって、より困難なものとなっている。
この障害を取り除くため、シャレンベルクはEU首脳に「最終的に我々のレバーを使うことを学ぶ」よう勧告し、これに対し特恵関税、ビザ協定、開発援助を停止すると脅した。
ギリシャは昨年、同様のアプローチを推奨し、国外追放された国民の引き取りを拒否する国に制裁を科すようブリュッセルに求めた。