苦境のドイツ、より深刻な景気後退に向かうとIMFが指摘

Struggling Germany headed for deeper recession, says IMF

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【Insider Peper】時事通信10月10日 6時15分

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国際通貨基金IMF)は10月10日(火曜)、ドイツが従来考えられていたよりも深刻な景気後退に見舞われると発表した。

 

高インフレと製造業の不振にあえぐドイツ経済は、今年0.7月時点では0.3%の縮小を予想していた。

 

ヨーロッパ最大の経済大国であるドイツは、先進7カ国(G7)の中で唯一、今年経済成長を遂げないと予想されている。

 

ドイツは「金利に敏感なセクターの低迷や貿易相手国の需要鈍化」など、複数の逆風に直面しているとIMFは最新報告書で述べている。

 

IMFによると、2023年初めに景気後退に転じ、第2四半期に停滞したドイツは、今年後半にも「わずかな景気縮小」に向かうという。

 

ワシントンに本部を置くIMFは、ドイツは2024年に回復すると見ているが、成長率は7月の1.3%から0.9%に下方修正した。

 

ドイツの問題はユーロ圏の成長の足かせとなりそうで、IMFは2023年のユーロ圏の成長率予測を0.7%に若干引き下げた。

 

ユーロ圏の重鎮であるフランスには良いニュースがあった。

「工業生産と外需の追い上げ」によって、IMFは2023年の成長率を前回の0.8%から1.0%に引き上げると予測したのだ。

 

しかし、同じG7のメンバーであるイタリアは、ユーロ圏平均を頑なに上回るインフレ率に悩まされており、成長率予測は0.4%ポイント減の0.7%となった。

 

ロシアのウクライナ戦争に関連したエネルギー価格の高騰、インフレ抑制のための欧州中央銀行の利上げによる借入コストの上昇、中国の需要減退などが、輸出大国ドイツに打撃を与えている。

 

安価なロシア産ガス輸入の終了は、特にドイツのエネルギー多消費部門を動揺させ、企業が生産拠点を海外に移すかどうかを検討するなかで、潜在的な非工業化について多くの懸念の声が上がっている。

 

同時に、EUで最も人口の多いドイツは、高齢化社会や熟練労働者の不足といった構造的な問題に直面している。

 

この不安から、一部のメディアはドイツが「欧州の病人」として再浮上しているのではないかと推測している。このレッテルは、ドイツが再統一の代償の大きさに苦しんでいた1990年代後半に貼られたものだ。

 

ドイツ政府は10月11日(水曜日)に秋の見通しを発表する。

 

メディアの報道によると、ベルリンは2023年の経済成長率を0.4%縮小すると予想している。

 

ロベルト・ハベック経済相は、低迷を脱するためには緊急の対策が必要だと述べた。

 

「投資に対する障害を取り除き、官僚主義のジャングルを一掃し、起業家にとって物事を簡単にする必要がある」と先月末に述べた。

 

こうした取り組みを後押しするため、政府は近代化に投資する企業を支援し、グリーンエネルギーへの移行を促進するため、2110億ユーロ(約2230億円)の「気候変動・変革基金」を発表した。

 

また、オラフ・ショルツ首相は「ドイツ協定」を発表し、建設プロジェクトのデジタル化と承認プロセスを迅速化する措置を盛り込んだ。

 

ドイツ人であるイザベル・シュナーベルECB理事は、ドイツの「長期的な潜在成長力」は様々な課題にどう取り組むかにかかっていると述べた。

 

シュナーベル氏は先週、クロアチアの新聞に対し、ドイツは過去に自らを変革することができた」

 

ベレンベルク銀行のエコノミスト、ホルガー・シュミーディングは、ドイツの回復力を過小評価しないよう注意を促した。

 

ドイツの "隠れたチャンピオン "である高度に専門化された中小企業には、ショックに耐え、新たなチャンスを見出す実績があると、シュミーディング氏は最近のアナリストノートに書いている。

 

「現在の悲観論の波は行き過ぎである」