【Natural News】2023年10月9日 オリビア・クック著
https://www.naturalnews.com/2023-10-09-canada-wildfires-choke-miami-smoky-air-haze.html
カナダ全土で300を超える山火事が長引き、収拾がつかなくなっているため、その煙がフロリダに流れ込み、マイアミの南まで到達していると、カナダ政府間森林火災センター(CIFFC)が報告した。
CIFFCの監視データによると、今年のカナダの山火事シーズンの総焼失面積は1840万ヘクタール(45.5エーカー)を超え、カナダの10年間の平均焼失面積の約6.5倍となっている。
フロリダ・パンハンドルからジャクソンビルまで見える煙は、サンシャイン・ステートの大部分を覆った。このため、10月3日火曜日には、エア・ナウよって "不健康 "と評価された。
「空気の質が不健康なレベルに達すると、特に持病のある人は注意しなければなりません」と、HCAフロリダ大学病院の緊急治療室(ER)医長サラ・ラローザ医師は語った。
喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、その他の肺疾患や呼吸器疾患など、肺に長い間問題を抱えている人々や子供たちは、大気の質が改善するまで屋内にとどまるよう促された。
■■ 山火事の煙がもたらす隠れた健康リスク
山火事は、火災そのものによる自然有機物の燃焼から、煙や灰などの燃焼副産物による大気汚染に至るまで、人々を環境や健康への危険にさらす。
さらに、山火事が地域社会に移動すると、家庭用洗剤やプラスチックからアスベストの側板に至るまで、燃えた建造物や家具から有毒化学物質が放出される可能性がある。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の医学部教授であるアリアン・テヘラニ博士とシェリ・ワイザー博士は、山火事の煙の大部分は人間の髪の毛の約30倍も小さい微粒子物質で構成されていると説明している。
これらの微粒子への暴露は、健康な人にも持病のある人にも影響を及ぼす可能性がある。
高濃度の大気微粒子汚染に数日から数週間さらされた健康な人は、呼吸困難、目の炎症、しつこい咳、痰、肺の炎症、呼吸器の炎症、一過性の肺機能の低下、喘鳴を経験する可能性がある。
さらに、カリフォルニア州環境保護局(CalEPA)によって有毒大気汚染物質(TACs)とも呼ばれる有害大気汚染物質(HAPs)も山火事の煙に含まれており、乳幼児、小児、妊婦とその胎児、高齢者、運動をしている人、肺、心臓、肝臓に疾患のある人の健康に悪影響を及ぼす可能性がある。
スタンフォード環境変化・人間成果研究所のデータによると、米国の平均的な人は、2006年以降のどの年よりも、2023年の方がはるかに多くの煙による大気汚染にさらされている。
■■ カナダがすべての火災を単純に消火できない理由
ブリティッシュ・コロンビア州にあるカナダ森林局の火災研究科学者、ダニエル・ペラキス氏は、カナダは山火事に対して十分な消防士を擁していないと述べた。
アルバータ州にあるカナダ森林局の火災科学アナリスト、クイン・バーバーによると、カナダのほぼ半分は森林であり、人里離れた手付かずの原野で、道路へのアクセスも、消火活動を支援するのに必要なインフラもない。
強風にあおられた山火事は、こうした危険な場所では1分間に50~70メートル(約164~230フィート)も燃え広がる。バーバーは、「理解すべき重要なことは、人命や地域社会、その他の重要な価値を脅かさない火災だけが許されるということだ」と語った。
カナダの山火事管理に関する2020年の論文には、こう書かれている。
「すべての州は、人命と安全を最優先するという、何よりも優先されるべき1つのルールに従っている。地域社会、インフラ、天然資源や環境など、他にも保護されるべき価値がある。山火事がこれらの価値を危険にさらすものでなければ、監視され、燃えるにまかせることができる」