カナダの山火事による煙が空を暗くし、何百万人もの人々に健康上の警告を発する。

Image: Smoke from Canadian wildfires darkens skies, triggers health warnings for millions

【Natural News】2023年6月15日 ゾーイ・スカイ著

https://www.naturalnews.com/2023-06-14-smoke-from-canadian-wildfires-triggers-health-warnings.html

 

カナダの山火事シーズンは、今年も悲惨で激しい幕開けとなった。

 

カナダの自然資源局によると、6月上旬までにすでに810万エーカー以上の土地が燃えたという。

 

専門家は、通常の火災シーズンであれば、カナダではこの時期までに約60万エーカーが燃えただけだと警告している。

 

 

一方、中西部と北東部の数百万人のアメリカ人は、昨年6月6日、大気質に関する警報が発令された。

 

400を超えるカナダの山火事から南下した煙がマンハッタンのスカイラインを暗くし、アメリカのいくつかの州の大気質に影響を与えたからだ。

 

カナダの山火事は非常に深刻で、煙は米国にも流れ込み、ダコタ州からマサチューセッツ州までの住民は煙の多い空気に対処しなければならない。

 

研究者によると、過去40年間の気温の上昇と乾燥が、北米をはじめ世界中でより頻繁に起こる極端な森林火災の原因になっているとのことだ。

 

米国国立気象局(NWS)によると、現在、米国東半分の数百万人が大気質警報を受けており、屋外活動を制限するよう求められている。

 

 

 

■■ ニューヨークの大気質がドーハやニューデリーの水準に近づく

 

 

ニューヨークの大気質測定値は159で、カタールのドーハやインドのニューデリーなどの都市に迫る数値となっている。

 

ここ数年、大規模な山火事が発生したカリフォルニア州など西部の多くの州で、煙のような靄がよく見られるようになった。

 

しかし、6月初旬のマンハッタンに漂う灰灰色の空と焦げ臭い匂いは、前代未聞のものだった。

 

マンハッタン区長のマーク・レヴィーンは、オフィスからのスカイラインの写真をツイートし、エンパイア・ステート・ビルが見えなくなるほど煙がひどかったと指摘した。

 

レヴィーンはインタビューで、6月上旬からマスクを着用する人を多く見かけるようになったと述べ、煙の量は 「前代未聞で衝撃的だ」と付け加えた。

 

武漢コロナウイルス(コビッド19)のパンデミックを経験した他の都市と同様に、レバイン氏は、市民が 「呼吸そのものがリスクになりうる時代のことがフラッシュバックし、ちょっとしたトラウマを感じている」と語った。

 

ニューヨーク州知事のキャシー・ホーチュルと州環境保全・保健省は、同市やロングアイランドを含むいくつかの地域に大気質健康勧告を出した。

 

さらに、当局は、激しい屋外活動を制限するよう住民に警告した。

 

州保健総監代理のジェームズ・マクドナルド博士は、幼い子供や喘息や心臓病などの呼吸器系の持病がある人など、「汚染物質の濃度上昇の影響を特に受けやすい人」は、必要なとき以外は屋外で過ごすのを避けるべきだと助言した。

 

マンハッタンに住むホセ・アリアスは、映画 「レッド・ドーン」に出てくるような雰囲気だと冗談交じりに例えた。

 

アリアスはまた、煙が街を 「ちょっと変な匂い 」にしていると語った。

 

9.11のテロを引き合いに出して、アリアスは「これほどの煙は "ツインタワー以来"」だと付け加えた。

 

 

 

■■ カナダの山火事は、海岸から海岸まで数週間にわたって続いている

 

 

カナダの天然資源大臣であるジョナサン・ウィルキンソンは、この山火事シーズンが 「現在の軌道が続けば、この国の歴史上最も厳しいものになる」と警告した。

 

カナダのデータによると、森林火災の少なくとも50%は人間によるもので、多くは偶然に引き起こされる。

 

しかし、残りの半分は落雷による発火であると、アルバータ大学の非常勤教授でカナダ森林局の研究員であるピユシュ・ジェインは説明している。

 

カナダの公式気象データ機関であるカナダ環境・気候変動局は、先月はカナダ西部で記録上最も暑い5月のひとつだったと報告している。

 

 

ジェイン氏は、1979年までのデータを検証した結果、世界的に極端な火災現象が増加していることが示唆されたと述べている。

 

 

 

■■ カナダの山火事シーズンは9月まで続くと推定

 

 


カナダの自然資源局は、400件以上ある活発な山火事のうち、249件が制御不能に陥っていると警告した。

 

6月上旬には26,000人以上の住民が自宅から避難し、数百万人が大気汚染警報の下に置かれたままだ。

 

カナダの山火事シーズンは通常5月から9月にかけてで、雪解けが始まり、最終的に火災の燃料となる枯れ草が露出する時期であると当局は述べている。

 

ケベック州では、州政府が火災の危険性が高い地域への立ち入りを禁止したため、鉱山会社やエネルギー会社が活動を停止している。

 

ニュースブリーフィングで、カナダのジャスティン・トルドー首相は、「ますます激しい山火事が、通常起こらないような場所で起きている」と警告しました。

 

さらに、西部のアルバータ州、東部のケベック州ノバスコシア州の3つの州が、消火活動やその他の対応作業を支援するため、連邦政府の援助を要請したと付け加えた。

 

本稿執筆時点で、カナダは数百人の軍人を配備し、火災に対応している。

 

トルドー氏は、オーストラリア、フランス、ニュージーランド南アフリカ、米国などの国々から数百人の消防士がカナダにやってきて、支援を行っていると付け加えた。