西側諸国は最終的に、かつて拒否した安全保障について議論することを望むだろう、とロシア大統領は述べた。
サンクトペテルブルク国際経済フォーラムでのロシアのプーチン大統領
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【RT】2023年6月16日
https://www.rt.com/russia/578169-putin-spief-speech-highlights/
ロシアのプーチン大統領は、6月16日(金曜日)にサンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)に登場し、長いスピーチを行い、質疑応答にも参加した。
プーチン大統領は、経済的な話題のほか、国際政策についても複数の発言を行い、その主な内容は、現在進行中のウクライナとの紛争や欧米諸国との対立に関わるものであった。
■■ ウクライナの反攻で大きな損失、そして収穫はなし
ロシア大統領は、6月上旬に暫定的に開始されたウクライナ反攻作戦の最新状況を説明した。プーチン大統領によると、キエフ軍は現在までに、約186台の戦車と418台のその他の装甲車両を失ったという。
「ロシア軍と比較すると、10分の1以上の損失である。これは事実だ。ハードウェアの面でも、この装備の損失は日に日に大きくなっている」と述べ、キエフはこれまで、ロシア軍との戦いに戦略的な蓄えを浪費し、目的を達成することができなかったと付け加えた。
■■ 欧米の軍事援助はウクライナを助けない
プーチンは、軍事行動の激化により、ウクライナ自身の軍需物資の備蓄が急速に枯渇していると述べ、近い将来、同国の軍隊は完全に外国の援助に依存するようになると予測した。
「それでは、長く戦争を続けることはできないだろう。キエフが西側諸国から受け取る兵器はすべて破壊されることになる」とプーチンは警告した。
「戦車は燃えている。その中にはレオパルドもある。彼らは燃えている。F-16もそうなる。間違いない」と大統領は述べ、キエフが長い間望んでいた米国製の先進的な航空機の納入の可能性に言及した。
■■ NATOの紛争への関与は深まる
F-16戦闘機の納入の可能性は、米国が主導するNATO圏を紛争にさらに深く関与させることになるとプーチン大統領は述べた。
さらに、F16戦闘機は海外に駐留し、ウクライナの領空で活動するのは戦闘出撃の時だけということになりかねない。
そのような場合、「我々に対する戦闘行為に使用される資産を、どこでどのように攻撃できるかを検討する必要がある」とプーチンは述べた。
「これは、NATOをこの武力紛争にさらに引きずり込むという重大な危険性をはらんでいる」
■■ 西側諸国は安全保障についてロシアと対話したいだろう
モスクワは、集団的な西側諸国との対話を拒否したことはなく、現在進行中の敵対行為が始まる少し前に、包括的な安全保障の取り決め案を出した、とプーチンは言った。
しかし、西側諸国は対話を拒否した。
しかし、最終的には対立的な姿勢を捨てざるを得なくなるであろう。
プーチンは、「彼らとの対話が必要かどうかについては、もう一度言うが、我々はこの対話を拒否していない」と述べた。
「私たちとの対話を断ち切ろうとしたのは彼らだ。まあ、彼らは話したくないのだろう...何でもいい。彼らはそうするだろう」
■■ 核兵器使用に対するロシアのスタンスを説明
ロシアの大統領はまた、核兵器の使用に関する話を正常化することに注意を促し、「この話題を議論するという事実そのものが、すでに核兵器使用の敷居を低くしている」と警告を発している。
同時に、プーチンは西側諸国との核軍縮交渉に参加する考えを否定した。
「私たちは、NATO諸国よりも多くの核兵器を保有している。彼らはそれを知っていて、削減のための交渉を始めるよう常に説得しようとしている。私たちの国民が言うように、彼らにとっては『ナッツ』なのだ」と語った。