ウクライナ戦争における勝者はただ一人、アメリカだ

 

【Zero Hedge 】タイラー・ダーデン著 2023年4月3日(月)- 02:00 PM

https://www.zerohedge.com/geopolitical/there-only-one-winner-ukrainian-war-us
著者:ジェラルド・フェミナ via Pressenza.com、

 

 

ロシアの突然の激しい反応に驚く人も多いが、それは細部だけでなく、プロセスに注意を払えば予想されることである。


すでに2007年、「平和のためのヨーロッパ」宣言の中で、ワシントンの政策を支持し続ければ、ヨーロッパは深刻な紛争に巻き込まれるだろうと言われていた。

 

 

そして今日、ウクライナ危機のこの時点では、いくつかの目標を達成した米国という唯一の勝者が見えているのである。

 

 

 

■■ ロシアに対する新たな制裁

 

 

ガスパイプライン「Nord stream2」をブロックし、何よりも彼らが最も恐れていることの一つ、ヨーロッパ(ドイツ)とロシアの連携を阻止すること。

 

代替ガス供給元として欧州に提案すること。

 

プーチンが拡張主義的な目的を持っているという物語を検証する。

 

ヨーロッパに対する支配力を高める。

 

兵士ではなく武器だけを送ることで、ヨーロッパで戦争を行うこと。

 

ロシアに対する戦争は、ヨーロッパ人、特にウクライナ人と東欧諸国一般によって行われている。

 

私たちが目撃しているのは、ヨーロッパの支援を受けた30年にわたるアメリカのロシアに対する侵略の結果である。

 

1990年、NATOを東欧諸国に拡大しないという約束に基づくゴルバチョフとの合意違反が、転機となった。

 

その後、いわゆるスターシールドやポーランドルーマニアへの軍事基地設置など、侵略は継続された。

 

ウクライナでは欧米主導のクーデターが起こり、ワシントンに近いオリガルヒの政権が誕生するなど、米国の進出は続いた。

 

そして2015年、「ドラゴンの騎行」によって、米軍は東欧を横断してロシアの国境に向かった。

 

軍事作戦は、特にロシア人とプーチンに対するヘイトスピーチのキャンペーンを伴い、さらに重要なのは、すでに苦しい経済状況を弱めていくための数々の経済・金融制裁である。

 

ロシア側は、さらなる制裁を正当化するために、米国が挑発し期待した「誤算」を犯してしまった。

 

危機が始まって以来、モスクワは、ウクライナNATOに加盟しないこと、モスクワから500km以内に核ミサイルを備えた米軍施設を受け入れることができないこと、といった要求を明確に打ち出すことで合意に達しようとしてきた。

 

これらの要求は、あたかもアメリカとの国境にあるメキシコやカナダにあるロシアのミサイルが受け入れられるかのように、受け入れがたいものであると説明された。

 

もちろん、暴力や戦争の行使を正当化するものではないが、この決定が下された全体的な背景は理解している。

 

この危機で最も高い代償を払うのはヨーロッパである。

 

請求書が値上がりし、多くの企業が閉鎖を余儀なくされるだけでなく、あらゆる製品の価格が上昇し、世界市場で競争力を失うことになる。

 

そうなれば、輸出も滞る。

 

 

このような状況の中で、欧州の政府は、一種の切腹のように、ワシントンの命令を受け入れ、自国の利益を犠牲にするのは不可解である。

 

 

ロシアも欧州も、そしてウクライナの人々も、この戦争によって利益を得ることはない。

 

 

だからこそ、2007年の「平和のためのヨーロッパ」宣言はこう述べたのだ。

 

ヨーロッパは、地球を破局に引きずり込むような政策を支持してはならない。

 

何百万人もの人々の命が危険にさらされ、人類の未来そのものが危険にさらされている。

 

人々は平和な暮らしを望み、民族間の協力に憧れ、私たちは皆、一つの大きな人類家族の一員であることを認識し始めている。

 

科学技術の発展は、すべての人に尊厳ある生活を保証することができますが、少数の人々の欲が人類の進化の道を妨げている。

 

その時、市民が政府に対して強い圧力をかけることだけが、流れを変えることにつながるのだ。

 

 

戦争がいやなら、戦争をするのをやめればいい。

 

ヨーロッパの指導者たちは、雪崩を止めることはできないが、一方で、人々の要求に耳を傾けることはできるはずだ。

 

この戦争を煽るのではなく、今すぐ対話を再開する必要がある。

 

しかし、どのような視点、解釈、分析であれ、この戦争は直ちに止めなければならない。

 

戦争は前史に属するものである。

 

私たちは平和を築こう!