消費者はさらなる価格上昇に備えるべきと、国際エネルギー機関(IEA)が指摘
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【RT】2023年3月9日
https://www.rt.com/business/572684-eu-expensive-gas-iea/
国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビロル代表は、欧州連合(EU)全体のエネルギー価格が将来的に著しく上昇するため、EUは困難な時期に直面していると警告を発した。
ビロル氏は3月9日(木曜日)にブリュッセルの欧州議会で講演し、ガス価格はロシアへの制裁前と同じにはならないだろうと示唆した。
「安いガスはもうないだろう。欧州のエネルギーは将来、過去よりも高くなる。EUのエネルギー価格は、経済的な競争相手よりも高く、著しく高くなるだろう」とビロル氏は述べた。
先月、IEAの最高責任者は、市場に出回る新しい液化天然ガス(LNG)の量が比較的少なく、中国の需要が伸びていることから、EUでは来年の冬にエネルギー不足になる可能性があると警告した。
新しいガス田の開発を再び推進しても、それが稼働するまでに何年もかかるだろうと、同氏は強調した。
ビロル氏は、家庭や企業はガスの使用量を減らし続ける必要がある一方、再生可能エネルギーの生産量をより速く拡大する必要があると指摘した。
ドイツ連邦ネットワーク庁のクラウス・ミューラー長官もビロールの懸念に同調し、特にドイツではロシアのパイプライン・ガスなしで貯蔵施設を満たす必要があるため、来年の冬にガスが不足する可能性は否定できないと述べている。
昨年の夏、欧州のガス料金は1メガワット時あたり345ユーロと、歴史的なピークを超えた。
この高騰は、欧米の対モスクワ制裁によるロシアのエネルギー供給の将来に対する懸念からもたらされたものだ。
一方、最新のデータでは、この1年間、27カ国がロシアの化石燃料の最大の輸入国であることに変わりはない。
エネルギー・クリーンエア研究センター(CREA)によると、EUはロシアの石炭、石油、ガスを最も多く購入していた。