投資大手バンガード、「ネットゼロ」ESG構想から撤退

                         
【THE LIBERTY LOFT/by Reuters】 2022年12月7日

https://thelibertyloft.com/2022/12/07/investment-giant-vanguard-pulls-out-of-net-zero-esg-initiative/

ヌール・ザイナブ・フセイン、ロス・キーバー著

 

ロイター

バンガードは、独自に行動していることを示し、投資家に見解を明確にするため、気候変動への取り組みに関する投資業界の主要イニシアチブから手を引くと、世界トップの投資信託運用会社が12月2日に発表した。

 

 

ペンシルバニアに拠点を置くバンガードなどのトップ投資家は、証券を選択・運用する際に環境・社会・ガバナンス(ESG)要素を用いることについて、米国の共和党政治家から圧力を受けることが多くなってきている。

 

ネット・ゼロ・アセット・マネジャーズ(NZAM)イニシアチブと呼ばれるこの取り組みは、2050年までにネットゼロエミッションの目標を達成し、地球の気温上昇を抑えるようファンド会社に奨励するために、2020年後半に開始された。

 

11月9日現在、NZAMの署名者は291社を数え、運用資産額は約66兆ドルとなっている。

 

バンガードの運用資産は10月31日現在で7.1兆ドルである。

 

最近、バンガードはNZAMの目標に沿ったコミットメントを行ったと宣伝していた。

 

しかし、バンガードは、NZAMのような業界のイニシアチブは建設的である一方、個々の企業の見解について混乱を引き起こす可能性があると、12月7日(水曜日)に同社のウェブサイト上の声明で述べている。

 

「インデックス・ファンドの役割や気候関連リスクなどの重要なリスクについて、投資家が望む明確さを提供するため、そしてバンガードが投資家にとって重要な事柄について独自に発言していることを明確にするために、NZAMからの脱退を決定しました」と、バンガードは声明で述べている。

 

 

この変更は、「気候変動が投資家の長期的リターンにもたらし得るリスクを回避することを支援するという、我々のコミットメントに影響を与えるものではありません」とバンガードは述べている。

 

この動きは、化石燃料から離れるために産業を組織化する努力への打撃となる。

 

NZAMの創設パートナーである持続可能性非営利団体セレスの副社長キーストン・スノー・スパルディング氏は、「政治的圧力がこの重要な経済的要請に影響を与え、企業の受託者責任の重要な部分であるリスク管理を効果的に妨げようとしているのは残念だ」と声明で述べている。

 

リクレイム・ファイナンスのキャンペーン担当者であるララ・キュベリエは、NZAMは今こそ変化を強く求めることができる、と語った。

 

 

「バンガードは、ネット・ゼロの公約を実行することに決して真剣ではなかった」と、キュベリエは声明の中で述べている。