【TLBスタッフ】2022年10月10日
https://www.thelibertybeacon.com/the-worlds-most-surveilled-cities/
欧米の人々にはディストピアの悪夢のように聞こえるかもしれないが、中国の市民によれば、それはほとんど良いことなのだそうだ。
意外かもしれないが、世界の都市人口が農村人口を追い越したのは2007年のことだった。当時、両者はほぼ半々で、それぞれ約33億人だった。
現在、都市部に住む人の割合は55%以上に増え、2050年には68%に達すると予想されている。
このため、世界の大都市の多くには数千万人の人々が住むようになった。
このような人口密度に対応するため、政府、企業、家庭は、犯罪防止などさまざまな目的で無数のセキュリティカメラを設置している。
ヴィジュアル・キャピタリストのマルク・ルーは、この監視の規模を把握するために、コンパリテックが最近発表したレポートのデータを使って、世界で最も監視されている都市を可視化した。
■■ 監視リスト(中国を除く)
中国を除くと、世界で最も監視されている都市は次の10都市となる。
■ 1-10位まで
・インド インドール
・インド ハイデラバード
・インド デリー
・インド チェンナイ
・ロシア・モスクワ
・UK・ロンドン
・ロシア・サンクトペテルブルク
・アメリカ・ロサンゼスル
上位4都市は、いずれも世界第2位の人口を誇るインドが占めている。
女性に対する犯罪を減らすために、監視カメラが大きな役割を担っている。
さらに下位には、さまざまな国の都市がランクインしている。
近年、監視カメラの導入が進んでいるロシアもその一つ。
この国の人権侵害の実績から、活動家たちは顔認識技術が弾圧の道具になることを懸念している。
米国の都市では、ロサンゼルスが唯一ランクインしており、この都市には米国で最も裕福な地域や自治体が含まれている。
ロサンゼルス・タイムズ紙によると、ビバリーヒルズには、人口3万2,500人に対して2,000台以上のカメラが設置されているという。
これは人口1,000人あたり約62台のカメラに相当し、ビバリーヒルズが単独でランキングされた場合、世界第2位となる。
■■ 中国における監視
IHS マルキットは、2021年時点で世界中に10億台以上の監視カメラが設置されると推定している。また、その54%が中国に設置されていると同社は見ている。
透明性が低いため、中国の各都市に実際にどれだけのカメラが設置されているかを正確に把握することは不可能である。
しかし、仮に中国のカメラ台数を5億4000万台とし、それを人口14億6000万人で割ると、人口1000人あたり373台(数値は四捨五入)のカメラが設置されていると考えるのが妥当だろう。
このアプローチの限界は、中国のすべての人が都市に住んでいると仮定していることであるが、これは現実とはかけ離れている。
世界銀行の最新の統計によると、中国の人口の37%は農村部であり、これは5億人以上に相当する。
このことを考えると、中国のTier 1以上の都市(上海など)の人口1,000人あたりのカメラ台数は、373台よりはるかに多い可能性がある。
■■ 中国について
中国がカメラと顔認識技術を広範囲に使用していることは、メディアで広く取り上げられている。
これらのネットワークは、中国の社会的信用プログラムを可能にし、地方政府に市民に対する前例のないほどの監視権限を与えている。
例えば、中国のカメラネットワークは、ATMからの引き出しの確認、家への立ち入り許可、さらには信号無視のような軽犯罪を犯した人々を公に辱めるために使用することができるのだ。
これは、欧米の視聴者にはディストピアの悪夢のように聞こえるかもしれませんが、中国の市民によれば、それはほとんど良いことなのだそうだ。
2018年に2209人の市民を対象に行った調査では、回答者の80%が社会的信用システムを承認している。