輸出する「民主主義」。イスラム国によって破壊されたイラクのシンガル(シンジャール)のザクル・アル・ディーン廟。写真提供:Levi Meir Clancy
https://freewestmedia.com/2022/08/20/stealing-syrian-oil/
世界政治におけるより重要な出来事の流れの中で、国際メディアは一方で、シリアで進行中の国際法違反についてほとんど報道していない。
アメリカの石油会社は、アメリカ軍の駐留に守られながら、シリアの石油鉱床を開発してきたのだ。
中国の大手新聞が最近、窃盗事件について報じた。
8月20日(土曜日)、中国日報は、米国占領軍がシリアの石油を略奪し続けていることは「ワシントンの恥」だとコメントした。
同紙は現地報道を引用し、100隻以上の米軍タンカーの車列が最近、シリア北東部のハサカ州からイラク北部のクルディスタン半自治区に数千リットルの原油を輸送したと報じた。
「米軍がシリアから石油を盗んでいることは、昔から窃盗を生業としてきた彼らにとっては容易に理解できる。それでも、米軍が盗んだ石油を、一般の人が石油の豊富な国だと認識しているイラクに出荷したことは、極めて明白だ」
と同紙はコメントしている。
シリアの通信社SANAはその後、盗まれたシリアの石油を積んだ144隻のタンカーがアル・マフムーディヤ国境交差点を越えてイラクに入ったと、石油強奪を確認した。
シリア北東部、ユーフラテス川以東は、欧米が引き起こした内戦以来、米軍によって事実上占領されている。
国防総省は、この作戦はこの地域の油田がISISのテロリストの手に落ちるのを防ぐためのものだと主張している。
実際には、油田は米国企業によって開発されている。
これは明らかに国際法違反である。
シリア外務省は8月15日(月曜日)、憤慨した声明を発表した。
「アメリカ側は、シリアの領土に不法に存在する軍隊を直ちに無条件で撤退させ、シリアの石油と小麦の盗掘と密輸を控え、存在する武装分離主義グループと武装テロ集団からの援護と保護を解除しなければならない」 と述べた。
ワシントンはこの非難を否定した。
イラクの国家石油販売機構の最新データによると、7月のイラクの原油生産量は毎日45万8,400万バレルで、6月より6万8千バレル多い。
英国のウェブサイト・オープンデモクラシーによると、世界第5位の産油国であるにもかかわらず、イラクの人口の3分の1は悲惨な貧困の中で暮らしているという。