ドイツ党首、ガスをめぐるEUの内紛を予言

CDUのフリードリッヒ・メルツは、迫り来るガス不足とEUの難民危機を並列に扱った。

 

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【RT】2022年7月5日

https://www.rt.com/news/558387-germany-eu-gas-battles/

 

 

ドイツのキリスト教民主同盟(CDU)の党首は7月4日(月曜日)、欧州連合EU)の加盟国は、迫り来るガス不足の中で、ガスの配給をめぐって不和に陥る可能性があると述べた。

 

 

 

フリードリヒ・メルツ氏は、2週間前にガス緊急供給計画の「警戒段階」を正式に開始したドイツ政府は、EUと連携して「具体的な」政策を発表すべきだと主張した。

 

 

「例えば、2015年と2016年に難民危機で起こったように、EU内で分配をめぐる大きな対立が起こるだろう」とメルツ氏はNeue Osnabrucker Zeitung紙に語り、中東やアフリカから欧州に流入する亡命希望者について言及した。

 

 

メルツ氏は、ロシアのガス供給を直ちに停止するような呼びかけをしないよう警告した。

 

 

「公の発言でそのようなシナリオを作るべきではない。ロシアが(既存の)契約を守れば、保守作業の後に供給は再開される」と述べた。

 


ロシア大手ガスプロムは先月、計画的な補修と制裁の影響を理由にバルト海パイプライン「ノルドストリーム1」を経由するガスの流量を減らした。

 

 

メルツ氏の発言は、ガスと電力の国家規制機関であるドイツ連邦ネットワーク庁が、利用可能なガスの備蓄に長くは頼れないと述べたことを受けたものだ。

 

 

「もしロシアのガスがなくなり、平均的に暖かい冬が来たとしたら、他のヨーロッパ諸国に送るガスも含めて、現在貯蔵している量は1~2カ月は持つだろう」と、同庁のクラウス・ミュラー長官はFunke Mediengruppeに語っている。

 

 

EUは3月、モスクワのウクライナでの軍事行動を受けて、2030年までにロシアのガスを段階的に廃止する計画を打ち出した。

 

 

一方、ドイツの政府関係者や経済界のリーダーたちは、ロシアからのエネルギー供給に大きく依存している同国の経済は、ロシアからのガスの流れが直ちに遮断されれば、苦境に立たされると警告している。

 

 

「本当の緊急事態だ。アルミニウム、ガラス、化学産業など、ガスのボトルネックのために産業全体が永久に崩壊する危険がある」と、ドイツ労働組合連盟の代表であるヤスミン・ファヒミ氏は『ビルト・アム・ゾンターク』紙に語っている。

 

 

ロベルト・ハーベック経済相は以前、ガス不足は大量の失業者を生み、生活水準を下げると警告していた。