インド、輸出禁止にもかかわらず、貧困国への小麦の輸出に前向き

  India Open to Exporting Wheat to Needy Nations Despite Ban

インド・アムリトサル郊外のジャンディアラ村の卸売市場で、小麦の穀物を袋に詰める労働者たち(2022年4月17日撮影)。(Narinder Nanu/AFP via Getty Images)

 

【NTD/ASIA & PACIFICThe Associated Press】2022年5月16日

https://www.ntd.com/india-open-to-exporting-wheat-to-needy-nations-despite-ban_779889.html

 


ニューデリー=インドは5月15日(日曜日)、2日前に発表された制限にもかかわらず、政府レベルで食糧不足の国々に小麦を輸出する窓口を開けておくと発表した。

 

 

インドのB.V.R. スブラマニャム商務長官は記者団に対し、政府は民間企業が7月まで約430万トンの小麦を輸出するという以前の約束を果たすことも認めると述べた。インドは4月に100万トンの小麦を輸出している。

 

インドは主にバングラデシュ、ネパール、スリランカといった近隣諸国へ小麦を輸出している。

5月13日(金曜日)に外国貿易局から官報に掲載された通知によると、小麦の世界価格の高騰は、インドと近隣の脆弱な国々の食料安全保障を脅かしているという。


輸出規制の主な目的は、国内価格の上昇を抑制することである。世界の小麦価格は今年に入ってから40%以上上昇している。

戦前、ウクライナとロシアは世界の小麦と大麦の輸出の3分の1を占めていた。2月24日のロシアの侵攻以来、ウクライナの港は封鎖され、民間のインフラや穀物サイロは破壊された。


同時に、インド自身の小麦の収穫は、記録的な熱波に見舞われ、生産が滞っている。

同氏によれば、インドの今年の小麦生産量は昨年の1億600万トンから300万トンも減少しているとのことだ。インドでは小麦の価格が20〜40%高騰している。


「現在の価格上昇は、供給量の減少や需要の急増に基づく反応ではなく、パニック的な反応であるようだ」とスブラマニヤム氏は言う。

 

世界第2位の小麦生産国でありながら、インドは生産した小麦のほとんどを消費している。2022-23年に1000万トンの輸出を目標に掲げ、戦争による世界的な小麦供給の混乱を利用し、ヨーロッパ、アフリカ、アジアに新たな市場を見出そうとしていたのだ。

 

昨年は1億900万トンの生産量のうち、最大9000万トンの小麦がインドで消費されたとスブラマニャムは述べ、昨年インドは700万トンの小麦を輸出したと付け加えた。