【Natural News】by: JD・ハイエス 2022年2月25日
ここ数年、ヨーロッパ、特にドイツは、エネルギーを化石燃料に頼らず、高価で信頼性の低い「グリーン」エネルギーに依存するようになったが、これには代償があった。
グリーン・エネルギー・システムが需要を満たすのに十分な量を生産できないため、同じ国々が、経済を動かし、冬に家を暖めるために化石燃料に再投資しなければならなくなったのである。
COVIDのパンデミックによる供給不足は、エネルギー価格の高騰を招き、さらにロシアのウクライナ侵攻により状況はさらに深刻になっている。
10年来の間抜けなエネルギー政策を覆すべく、トランプ政権下のドイツは、ロシアから天然ガスを供給してもらうために、ノルドストリーム２というロシアとの巨大パイプラインプロジェクトに参加することに合意した。
しかし、ドイツはNATOのレガシーメンバーであり、NATOはロシアに対抗するために存在すると考えられていることから、安全保障の観点からは決して意味のあることではなかった。
トランプは大統領としてその点を何度も指摘し、ドイツのアンゲラ・メルケル首相をはじめとする欧州の指導者たちを困らせた。
もちろん、彼が正しいことが判明した。ロシアのウクライナ侵攻に伴い、ドイツはノルドストリーム２を停止することで対応したが、そうすることでドイツ国民は長期的にすぐに代替できないエネルギー資源から切り離されることになりそうだ。
Just the Newsが伝えている。
CNBCによると、110億ドルのパイプラインは昨年末に完成していたが、運用開始には認証が必要だった。
ドイツのオラフ・ショルツ首相は、「最近の情勢を鑑み、特にノルドストリーム２に関する状況を再評価しなければならない」と述べた。
ショルツ首相は、プーチン大統領がウクライナ東部の２つの自称・親ロシア共和国の独立を認めると述べた翌日にこの決定を下し、その後、「平和維持」任務のためにロシア軍を同地域に派遣すると述べた。
このパイプラインは、ロシアからの天然ガスの流れを２倍にするものであり、ドイツにとっていかに重要であったかがわかる。さらに、ロシアに反対する安全保障機構の参加者であるはずのドイツに対して、モスクワがあまりにも大きな支配力を与えてしまった。
しかし今、この決定はドイツ人が凍えることを許す危険性がある。冬が深まるにつれて寒さが大陸を覆い、信頼できる手頃な価格のエネルギーが不足し続けるからである。
ニューヨーク・タイムズ紙はこう指摘する。
クレムリンがロシア軍にウクライナの分離主義地域への進出を命じた今、ガスの流れは中断される可能性がある。
ロシアは欧州の天然ガスの3分の1以上を供給し、家庭を暖め、発電し、工場に電力を供給している。
ヨーロッパ各地の首都で政治家や指導者が価格の凍結、エネルギー税の削減、価格上昇の影響を最も受けた家庭への小切手の発行を行っているが、高止まりする価格が人々の雇用や支払い能力に何を意味するのかという懸念が広がっている。
ドイツ東部のザクセン州でガスや電気料金の支払いが困難な消費者の相談役を務めるシュテファニー・シーゲルト氏は、「人々は非常に動揺し、非常に苦しんでいる」と述べた。
「人々と話していると、彼らの怒りが伝わってくる。とても憂鬱です。」
ドイツ人は暖房費やエネルギー代が滞る中、多くの人が信頼性の低い太陽光だけでなく、昔ながらの薪ストーブに頼っている（もちろん、これは国の有害な排出物を増やすことになり、これまでの『グリーンエネルギー』への投資が無意味になる）。
また、一部の消費者は、さらに汚い石炭に目を向けている。
「練炭と乾燥木材の山がまだあります」と、ヘンリー・バックハウス氏（65）はストーブに別の丸太を入れながらタイムズ紙に語った。
「しかし、これは一時的なものです。長期的な解決策にはなりません」と。
