ロシア、ノルドストリーム経由の欧州向け重要ガス供給を再開



【Insider Paper】AFP2022年7月21日 

https://insiderpaper.com/russia-resumes-critical-gas-supplies-to-europe-via-nord-stream/

 

ロシアは21日、ガスパイプライン「ノルドストリーム」を10日ぶりに再開し、ドイツ経由で欧州への重要なガス供給を再開したが、大陸が今冬のエネルギー危機を回避できるかどうかは不透明なままだ。

 

 

ノルドストリームの広報担当者は、「機能している」と述べた。

 

 

ドイツ政府は、モスクワが予定された作業の後、パイプラインを再開しないことを恐れていた。

 

 

ロシアが、モスクワのウクライナ侵攻をめぐる欧米の制裁への報復として、供給を絞っていると考えているのだ。

 

 

ロシアの国営エネルギー大手ガスプロムが、同ラインを運営するドイツのガスカード社に提供したデータによると、日中に供給されるのは530ギガワット時(GWh)だった。

 

 

ドイツのエネルギー規制機関である連邦ネットワーク庁のクラウス・ミューラー長官はツイッターで、これは能力の30%に過ぎないと指摘した。

 

 

ガスプロムはここ数週間、重要なパイプラインであるノルドストリーム1経由のドイツへの送電量を約40%削減し、カナダで修理中のシーメンスガスタービンがないことが原因だと主張している。

 

 

ドイツ政府はガスプロムの説明を拒否している。

 

 

バルト海の下にあるパイプライン、ノルドストリーム1は7月11日から年次メンテナンスを受けるために停止していた。

 

 

しかし、専門家によると、40%の供給再開では、今冬の欧州のエネルギー危機を回避するには不十分だという。

 

 

欧州委員会は12日、冬の備蓄を確保し、ロシアの「脅迫」に打ち勝つため、今後数カ月の間に天然ガスの需要を15%削減するようEU諸国に要請した。

 

 

また、EU委員会は緊急対策を発表し、ロシアが欧州のガスライフラインを遮断した場合、ブリュッセルにエネルギー配給を強制する特別な権限を与えるよう加盟国に要請した。

 

 

輸入の全面停止や東から西への流れの急激な減少は、ヨーロッパ経済に壊滅的な影響を与え、工場の操業停止や家庭での暖房の削減を余儀なくされる可能性がある。

 

 

昨年、ロシアはEUのガス輸入総額の40%を占めており、これ以上供給が途絶えれば、消費者物価も上昇し、深刻な不況に陥る危険性も出てくる。

 

 

欧州委員会ウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は記者団に対し、「ロシアはわれわれを脅迫している」と述べた。

 

 

「ロシアはエネルギーを武器として使っている。したがって、ロシアのガスの部分的な大幅遮断であれ、全面的な遮断であれ、いずれにせよ、欧州は準備を整える必要がある」。

 

 

ロシアのプーチン大統領は、EU加盟国27カ国へのガス供給を断つという脅しで、ここ数日、熱くなったり冷たくなったりしているが、ブリュッセルは、EU諸国に対し、最悪の事態に備えるよう求めている。