今日は「最後の晩餐」の日。ビサヤ語では「Katapusan Pani-hapon カタプサン パニハポン(最後の夕食)」という。
過ぎ越しの祭り(英語でPassover、ヘブライ語でペサハ)が14日日没より行われる。イスラエル国内外、世界中で行われており、超正統派のユダヤ教徒から全然宗教的でない世俗的なユダヤ人までほぼすべてのユダヤ人は大抵家族と共に集まって(日本のお盆のように実家に帰省したりして)過ぎ越しの食卓を共にする習慣がある。
イエス様が十字架にかかられる前に弟子たちととられた「最後の晩餐」はこの過ぎ越しの祭りの食事であった。
過ぎ越しの祭りはエジプトで430年もの間、奴隷状態にあったユダヤ人がモーセに率いられて出エジプトを果たした時のことを覚えて祝うもので、その脱出の前に神がエジプトに10の災いを送った中の10番目の災いに由来している。
10番目の災いのとき、ユダヤ人だけがあらかじめ神より示されたとおり、家の柱と鴨居に1歳の雄の子羊(もしくはヤギ)の血を塗ったことで災いを「過ぎ越さ」れたが、それ以外のエジプト全土の人間・家畜の初子は皆殺された。(出エジプト記12章12−14節)
「その夜、わたしはエジプトの地を巡り、人をはじめ、家畜に至るまで、エジプトの地のすべての初子を打ち、また、エジプトのすべての神々にさばきを下そう。わたしは主である。
あなたがたのいる家々の血は、あなたがたのためにしるしとなる。わたしはその血を見て、あなたがたの所を通り越そう。わたしがエジプトの地を打つとき、あなたがたには滅びのわざわいは起こらない。
この日は、あなたがたにとって記念すべき日となる。あなたがたはこれを主への祭りとして祝い、代々守るべき永遠のおきてとしてこれを祝わなければならない。」
さて、過ぎ越しの祭りではイースト菌を入れない種なしパン=マッツァを食べることも聖書で命じられている。
イスラエルのアリエル航空の機内食ではこの時期種なしパンしか出ないそうで、イスラエルのホテルなどでもそのようだ。
また過ぎ越しの祭りの食事(セダー)には上記のマッツァとブドウ酒(かジュース)のほかにこんなものが出される。
固ゆで卵、苦菜、野菜、もっと苦い野菜、ロースト子羊(鶏・牛も可)の前足の骨、ハロセット(クルミとりんごをまぜたもの)
この、世界中でユダヤ人が旧約聖書時代から行っている(日本でもシナゴーグ2軒とその他各所で行われている)過ぎ越しの祭りが、いけにえとなった子羊の血(鴨居と門に塗られた血)のあがない=イエス・キリストの救いのひながたであることを、当事者でありその祭りを毎年祝っておられるユダヤ人の方々が気づかれ受け入れることができるよう祈っていきたいと思う。