イタリア、富裕層が海外で得た所得に対する「一律課税」を倍増


ナチュラルニュース】2024年8月15日 リチャード・ブラウン 著

https://www.naturalnews.com/2024-08-15-italy-doubles-flat-tax-income-earned-abroad.html
超富裕層への課税強化を求める声が勢いを増しており、保守派の政府もこの議論に加わっている。

 

ローマでは、右派のジョルジア・メローニ首相が、富裕層が得る国外所得に対する「一律課税」を10万ユーロから20万ユーロ(10万9200ドルから21万8400ドル)に倍増することで合意した。


この税金は当初、富裕層の投資家を呼び込むために2017年に導入され、その結果、約1,186人の富裕層が納税地としてイタリアを選んだ。

 

この税金は、2018年にトリノに移籍したポルトガルのサッカー選手クリスティアーノ・ロナウドなど、導入後にイタリアにやってきた著名人の名前にちなんで、「億万長者税」または「サッカー選手スキーム」として知られるようになった。

 

フラットタックスを支払うことで、居住者は15年間、海外所得、贈与、相続に対する他の課税が免除される。

 

しかし、フラット・タックスは地元住民の間で不人気となり、新たな高所得の「財政居住者」の存在によって住宅価格が高騰していると主張する抗議運動が起こった。


ジャンカルロ・ジョルジェッティ経済・財務相は、富裕層への「財政優遇」を他国と競うことに反対していると述べた。


ジョルジェッティ大臣はイギリスについて具体的に言及はしなかったが、イタリアの政策転換の重要な要因は、リシ・スナック前英国首相が外国人富裕層に対する減税措置を一部廃止したことであることは明らかだ。

 

この変更により、イタリアの優遇税制はヨーロッパの近隣諸国とはかけ離れたものになった。

 

特に、新たに就任したキーア・スターマー英首相は、天文学的な税金を回避しようとする外国人富裕層に対してより厳しいアプローチを取ると公約していた。


■■超富裕層への増税を主張する国が増えている


この変化は、ドミニク・ド・ヴィルパン元フランス首相やジュリア・ギラード元オーストラリア首相を含む19人の元首脳が、富裕層への課税強化を提唱する共同書簡に署名した直後に起こった。

 

先日の20カ国・地域(G20財務相会議でも、グローバル・エリートへの課税強化の必要性が強調された。


2008年の金融危機後の世界経済の回復を調整するために設立されたG20には、サウジアラビア、メキシコ、トルコ、インドネシアアメリカ、中国、フランス、イギリスなど、さまざまな地域のメンバーが参加している。


現在G20を主催しているブラジルは、左派のルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領の下、富裕税制を議題の最前線に据えている。

 

ルーラはフランスの経済学者ガブリエル・ズックマンを招き、超富裕層への課税に関する世界標準の助言を求めた。


ズックマンの報告書は、億万長者が現在、その富に対して平均0.3%しか税金を払っていないことを強調した。

 

彼は、民主主義には累進課税が不可欠であると主張し、億万長者の富に対する年間最低2%の課税を提案した。


ズックマンの報告書によれば、世界の億万長者に最低2%の課税を実施すれば、約3000人の納税者から年間2000億ドルから2500億ドルの税収が得られるという。

 

この課税を1億ドル以上の億万長者にも拡大すれば、さらに1000億ドルから1400億ドルの税収が見込める。


世界にはすでに富裕税を導入している国もある。特にオスロの左派政権が2023年に税率を0.85%から1.1%に引き上げた後、超富裕層の国外流出を警告する見出しが躍った。


スペインでは、左派政権がノルウェーの税率引き上げと同時期に富裕税を再導入したため、資本や富の国外流出に関する同様の懸念が広がった。スペインの富裕税は300万ユーロ(328万ドル)以上の財産に適用され、個人の資産に応じて最高3.5%に達する。


増税から逃れるために多くの人々が避難しているスイスでは、超富裕層への増税をめぐる議論が続いている。

 

この国の民主的な社会からの提案には、5,000万スイスフラン(5,763万ドル)以上の遺産に50%の相続税を課し、「エコロジー再構築 」に充てるというものがある。

 

スイス政府はこの税金に反対するキャンペーンを展開すると発表したが、スイスの超富裕層は公平な負担を求める圧力が高まっている。