世界初、EUの包括的AI法が発効

Antisemitic, anti-Muslim hate in EU has 'exploded': commissioner

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【Insider Paper】時事通信 2024年8月1日 午前6時6分

https://insiderpaper.com/in-world-first-eus-sweeping-ai-law-enters-into-force/

欧州連合EU)は1日、人工知能(AI)に関する画期的な法律を発効した。

 

EUは今年初め、AI、特にOpenAIのChatGPTのような強力なシステムを管理するための世界初の包括的な規則を、困難で緊張した交渉の末に採択した。


この規則は2021年に初めて提案されたものだが、2022年にChatGPTが登場し、数秒で雄弁な文章を作り上げる生成AIの人間のような能力が示されたことで、緊急性が高まった。


ジェネレイティブAIの他の例としては、Dall-Eやミッドジャーニーがあり、日常的な言語による簡単な入力で、ほぼあらゆるスタイルの画像を生成することができる。


欧州委員会ウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は、「人工知能法では、人々とその利益を守るだけでなく、ビジネスと革新者に明確なルールと確実性を与えるために、新たなガードレールを設ける」と述べた。


企業は2026年までに遵守しなければならないが、ChatGPTのようなAIモデルを対象とする規則は、法律発効の12カ月後に適用される。


プロファイリングに基づく予測的な取り締まりや、個人の人種、宗教、性的指向を推測するために生体情報を使用するシステムにAIを使用することは、法律発効から6ヵ月後に厳しく禁止される。


「AI法」として知られるこの法律は、リスクに応じたアプローチをとっている。

 

システムが高リスクである場合、企業は市民の権利を守るために果たすべき義務をより厳しく課される。


例えば、欧州の人々の健康や権利に対するリスクが高ければ高いほど、企業が個人を被害から保護するための要件は大きくなる。


法律事務所ノートン・ローズ・フルブライトのパートナーであるマーカス・エヴァンスは、

「AI法の地理的範囲は非常に広いため、事業や顧客基盤にEUとのつながりがある組織は、その義務を特定し遵守するためのAIガバナンス・プログラムを実施する必要がある」と述べた。


禁止されている慣行やデータ義務に関する規則に違反した企業は、全世界の年間売上高の最大7%の制裁金を科される。


EUは5月、この新法に基づき、技術専門家、弁護士、経済学者からなる「AIオフィス」を設立し、コンプライアンスの徹底を図っている。