台湾地震で世界のチップ供給が危機に TSMCが生産ラインを一時停止


【Natural News】2024年4月5日  イーサン・ハフ著

 https://www.naturalnews.com/2024-04-05-taiwan-earthquake-prompts-chip-maker-pause-production.html

今週、台湾の東部海岸線を襲った大地震は島全体を揺るがし、全世界のチップを製造する台湾積体電路製造(TSMC)の一時的な操業停止につながった。


報道によると、マイクロチップのグローバル・サプライ・チェーンの重要な構成要素である製造工場は、地震の揺れで施設がガタガタになったため、生産ラインを閉鎖した。

 

この25年間で台湾を襲った最大規模の地震は、多くの建物を破壊し、多くの死者を出した。また、アップル社とエヌビディア社の主要契約チップメーカーであるTSMCの操業にも大きな打撃を与えた。

 

「すべての極端紫外線リソグラフィ装置を含む、当社の重要なツールに被害はありません」と、同社は製造施設の特定のエリアから従業員を避難させた後、声明で発表した。

 

TSMCは、一部の設備で工具の一部が損傷していることを明らかにしたが、完全かつ迅速な操業回復を確実にするため、利用可能なすべてのリソースを投入しているとしている。

 

■■台湾の中小チップメーカーも同様に生産停止

 

ライバルのチップメーカーであるユナイテッド・マイクロエレクトロニック社.も一部の工場の機械を停止し、新竹と台南の拠点を含む一部の施設を避難させた。

 

地震で操業が停止したもう1つの企業は、ASE テクノロジー ホールディング Co.で、iPhoneなどのスマートフォンや消費者向け自動車に搭載される半導体の大部分を製造・組み立てている。


マイクロチップが製造される施設は、わずかな揺れにも極めて脆弱である。地震が起きやすく、悪名高い環太平洋火山帯の真上に位置する台湾という島に工場を構える前に、このことを考慮すべきだったのかもしれない。

 

「たった一度の振動が、精密な半導体のバッチ全体を破壊する可能性がある」とブルームバーグは報じている。

TSMCの米国上場株は4月3日(水曜日)の朝、ニューヨークで1.6%上昇したが、UMCはほとんど変わらなかった。

 

ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリストは、地震による財務への影響は、「TSMCの先端ノード・プロセスに対する旺盛な需要」によって「緩和される」、つまり、地震による影響は限定的である、としている。

 

台湾の数多くのハイテク企業は、まだ地震による被害状況を調査している最中である。

 

バークレイズのアナリストは、チップの生産が一時的に停止するだけでも、複雑な製造工程を混乱させる恐れがあると指摘した。

 

「ハイエンド・チップの中には、数週間、真空状態で24時間365日のシームレスな操業が必要なものもある。

 

「台湾北部の工業地帯での操業停止は、生産中のハイエンドチップの一部が台無しになる可能性があることを意味する。」

 

驚くべきことに、マグニチュード7.4の地震は、台湾の西側にある首都台北を含む台湾のほとんどを、ある程度顕著に揺らした。

 

台湾はデリケートなチップの生産には不向きな場所である。

 

それでも台湾は、スマートフォンやAI(人工知能)などの高度なアプリケーションに必要とされる世界の最高級チップの90%以上が製造されるトップロケーションであり続けている。

 

「業界幹部や政府関係者は、世界の先端半導体生産を、自然災害を除けば軍事的な火種になりかねないこの島に集中させることの危険性を長い間訴えてきた」とブルームバーグ