米国が国連のガザ停戦アピールを阻止


12月8日(金曜日)、ガザでイスラエル軍の砲撃後、ヤッファ・モスクの瓦礫を調べるパレスチナ人。© Majdi Fathi/NurPhoto via Getty Images

【RT】2023年12月8日

https://www.rt.com/news/588774-gaza-un-usa/

イスラエルハマスの戦争における人道的な戦闘停止を要求する決議案に、ワシントンが拒否権を発動した。


ガザでの民間人犠牲者が増加する中、イスラエルハマスの戦争における人道的停戦を要求する国連安全保障理事会決議案に対し、アメリカは唯一の反対票を投じた。

 

アラブ首長国連邦が金曜日にニューヨークで提出したこの決議案には、13カ国が賛成票を投じた。英国は棄権し、ワシントンは外交的に孤立したまま、この決議を阻止した。

 

「ガザへの執拗な砲撃を止めるという呼びかけに団結できないのであれば、パレスチナ人にどのようなメッセージを送るというのだろうか?」

 

ハメド・アブシャハブUAE国連副大使は、理事会のメンバーにこう問いかけた。

 

「実際、同じような状況に置かれるかもしれない世界中の市民に対して、私たちはどのようなメッセージを送ることになるのでしょうか?」

 

12月8日(金曜日)の採決は、アントニオ・グテーレス国連事務総長が、国連憲章でめったに使用されない条項である第99条を発動し、ガザに差し迫った「人道的大惨事」について安全保障理事会に警告を発した後に行われた。

 

グテーレス総長は、戦争が2ヶ月以上続く中、ガザの人道支援網は 「崩壊の深刻なリスク」に直面していると述べた。

 

10月の開戦以来、1万7000人以上のパレスチナ人が死亡し、190万人が避難している。

ハマスが10月7日、イスラエル南部の村々に奇襲攻撃を仕掛け、推定1,200人を殺害し、数百人の人質をガザに連れ帰ったことが戦争の引き金となった。

 

米政府高官は、一般的な停戦に反対している。それは、ハマスがガザで権力を保持するのを助けるだけだからだ。

 

先月末の1週間の停戦により、イスラエルの刑務所に収監されていた240人のパレスチナ人と引き換えに、110人のハマスの人質が解放された。また、包囲されたパレスチナの飛び地に、援助関係者がより多くの人道物資を持ち込むための時間も確保された。


米国の国連代表部は声明で、停戦決議に反対すると述べた。

その理由は、「急ごしらえ」の提案は「現実離れ」しており、「次の戦争の種を蒔くだけ」だからだ。

 

ロバート・ウッド副国連大使によれば、ワシントンの決議案修正提案はほとんど無視されたという。ウッド副大使は、ハマスの攻撃を非難する文言が盛り込まれなかったことも懸念材料だと付け加えた。


女性、子ども、高齢者、さまざまな国籍の人々が、生きたまま焼かれ、銃殺され、卑猥な性的暴力を受けている。

 

「このような凶悪な行為の犠牲者たちに対して、決議案の作成者たちは、哀悼の意を表することも、殺人犯を非難することもしなかった。理解できない」