名前を隠すフランスのユダヤ人たち - ル・フィガロ紙


ファイル写真. 2023年11月12日、フランス・パリ: 反ユダヤ主義に反対する集会で、人の腕にテフィリンを置く正統派ユダヤ人の姿。© Global Look Press / Telmo Pinto/Keystone Press Agency

【RT】2023年11月30日

https://www.rt.com/news/588242-french-jews-face-anti-semitism/

帽子の下にキッパを隠したり、郵便受けや携帯アプリからユダヤ人の名前を削除したりして、目立たないようにしている人もいる、と同紙は報じている。

 

10月7日(土曜)のハマスの攻撃によるガザに対するイスラエルの残忍な報復は、フランス全土で反ユダヤ主義の急増を促し、多くのユダヤ人が日常生活で差別、脅迫、暴力に直面し、身分を隠すことを余儀なくされている。 

 

ル・フィガロ』紙が11月27日(水曜日)に発表した調査によると、人口の約10%がイスラム教徒であるフランスで、ユダヤ人が日常生活を送る中で新たな憤りに遭遇する事件がいくつか起きているという。

 

ル・フィガロ紙が行ったインタビューによると、ユダヤ人はタクシーから理髪店まで、いたるところで恨みを買っているという。

 

ユダヤ人は商業サービスを拒否されている、と同紙は書いている。

 

60歳のラビがウーバーからメッセージを受け取り、ドライバーからの評価が低いのでアカウントを抹消された、と警告を受けたという。

 

その男性は、イスラム教徒のドライバーから、彼がユダヤ人であることが評価が低い原因だと言われ、さらに、同僚の何人かが、この乗客が伝統的なスカルキャップであるキッパをかぶっていたために評価が低かったと言われ、初めて停止の理由を知ったという。  

 

ル・フィガロ紙が報じた別のエピソードでは、ある31歳の女性が、過去3年間通っていたパリの理髪店にユダヤ人であることを理由に予約を断られたため、法的措置を取ると語った。

 

「私はパレスチナを支持しているし、あなたはユダヤ人だから、あなたの髪はやらない!」彼女が予約のために来店したとき、美容師はそう言った。


ル・フィガロの取材に応じた何人かは、国の郵便サービスでさえ反ユダヤ主義的な暴言の発信源になっていると訴えた。

 

イスラエルに送られた小包は頻繁に遅配され、時には状態が悪く、『イスラエル』の文字が消されて『パレスチナ』に変えられている。 

 

これに対してユダヤ人は、伝統的なユダヤ教の看板をドアから外し、キッパを帽子の下に隠し、郵便受けや携帯アプリからユダヤ人の名前を消すなどして、目立たないようにしているという。 

 

戦争が始まって以来、1500件以上の反ユダヤ主義的行為が記録されていると、ジェラルド・ダルマナン仏内相は11月初め、放送局ヨーロッパ1のインタビューで述べた。

 

この数字は、2022年通年と比較して3倍に増加している。反ユダヤ主義的な事件は、ドイツとイギリスでも増加傾向にある。

 

今月初めには、パリでの数万人を含むフランス全土で18万人以上が、国内での反ユダヤ主義の急増に反対する抗議デモに参加した。