ドイツのホームレス、1年で50%増加 - メディア

2017年1月11日、ドイツ・ベルリンで吹雪の中、ホームレスのテントが政府地区に見られる © Getty Images / Maja Hitij/Getty Images

【RT】2023年11月10日

https://www.rt.com/news/586990-germany-homelessnes-rise-refugees/


ドイツでは昨年、少なくとも60万人以上が一時的に住居を失ったことが報告された。

 

緊急住宅支援団体の報告書によると、ドイツに到着する亡命希望者の急増により、EU諸国では過去12カ月でホームレスが50%以上増加した。

 

家賃の上昇、社会住宅の不足、生活費の高騰により、ウクライナの紛争から逃れてきた約100万人の難民の宿泊先の選択肢が限られている、と『タイムズ』紙は連邦ホームレス支援協会(Bag W)の新しいデータを引用して報じている。


さらに、2022年には約14万8000人の非ウクライナ人がEU加盟国に亡命を申請しており、利用可能な住居の不足がさらに深刻化している。

 

「インフレ、物価上昇、家賃の高騰は、所得の低いドイツの世帯に重くのしかかっています」と、バッグWのディレクター、ウェレナ・ローゼンスケはタイムズ紙に語った。

 

最も弱い立場にあるのは、「低所得の単身世帯、ひとり親世帯、子供の多い夫婦世帯 」だとローゼンケは付け加えた。

 

昨年、ドイツで少なくとも一時的にホームレスになった人は約607,000人で、2021年には383,000人だったとBag Wは述べた。

 

これは2018年以降で最も多い数であり、亡命希望者がこの数字の41万1000人(71%)を占めた。ホームレス統計の国籍別内訳は明らかにされていないが、同国連邦統計局の1月のデータでは、ウクライナ人がホームレス人口の3分の1弱を占めていたという。

 

バッグWの分析によると、ドイツのホームレスのうち約5万人が路上での睡眠を余儀なくされている。残りはシェルターや友人・知人の家などの一時的な宿泊施設を見つけることができた。

 

先週末、『シュピーゲル』誌が実施した世論調査では、「サンクチュアリ・シティ(聖域都市)」とも呼ばれる「セーフ・ヘイブン・タウン(安全な避難所)」同盟に加盟する125の自治体のうち、約40%が移民受け入れの限界に近づいていると結論づけた。

 

ヒルデスハイム大学による別の調査では、調査対象となった600の地区の約40%が「手一杯 もしくは緊急モード」であった。

 

バッグWの報告書はまた、社会住宅セクターの大幅な減少がドイツのホームレス問題を悪化させていると指摘している。

 

「手ごろな価格の宿泊施設の不足が、ドイツの住宅不足の主な原因であることに変わりはない。このため、ドイツ人ホームレスもドイツ人以外のホームレスも、彼らのニーズに合った宿泊施設を十分に提供することができない」

 

タイムズ紙によれば、2023年にドイツに亡命を求める人の数は30万人を超えると予想されている。