「次のパンデミック」は人類史上最悪の "大流行 "になると科学者が警告

【SLAY】フランク・バーグマン著 2023年11月4日

 https://slaynews.com/news/next-pandemic-big-one-deadliest-known-humanity-scientists-warn/

 

科学者たちは、「次のパンデミック」は人類が見たこともないような致命的なウイルスになると警告している。

 

「ビッグ・ワン」と呼ばれるこのウイルスは、次の大流行がすでに「水面下で煮えたぎっている」可能性があると科学者たちは主張している。

 

パラミクソウイルス科には、おたふくかぜ、はしか、呼吸器感染症など75以上のウイルスがある。

 

10月には国立アレルギー感染症研究所(NIAID)の注意すべきパンデミック病原体リストに追加された。

 

ウイルスのひとつであるニパ・ウイルスは、中枢神経系や重要な臓器を取り囲む細胞の出入りを制御するレセプターを持つ細胞に感染する可能性がある。

 

この亜種の致死率は最大75%であるのに対し、コビッドウイルスは1%以下である。

 

パラミクソウイルスは、インフルエンザやコビドとは異なり、「スピーディーなシェイプシフター」である。

 

「もしパラミクソウイルスが麻疹のように感染力があり、ニパのように致命的なウイルスが出現したらと想像してください」とトロント大学のマイケル・ノリス助教授は声明で述べた。

 

実際、2011年に公開された映画『コンテイジョン』は、まさにこのようなパラミクソウイルスの想像に基づいている。

 

マット・デイモングウィネス・パルトロウケイト・ウィンスレットが出演し、香港出張から帰国した女性が致死性の微生物を持ち帰り、世界的大流行を引き起こした。

 

映画の中の病気はニパウイルスだった。

 

「インフルエンザは、死ぬほど配列が解明されています」と、マウント・サイナイのアイカーン医科大学のウイルス学者、ベンハー・リーはアトランティック紙に語った。

 

というのも、75種類以上あるウイルスのひとつに感染しても、ほとんどの人は生き残ることができないからである。

 

パラミクソウイルス科で最初に発見されたのはリンダーペストと呼ばれるもので、1902年に同定された。

 

リンダーペスト(牛疫)は、蹄のある動物を罹患させる伝染性のウイルス病である。

 

1980年の天然痘に続き、2011年に完全に根絶された史上2番目の病気である。

 

科学者たちはパラミクソウイルスについて1世紀以上前から知っていたにもかかわらず、ウイルスがどのようにして新種に移行し、変異してヒトに感染するのかをまだ理解していない。

 

例えば、おたふく風邪は長い間ヒトと一部の霊長類にしか感染しないと信じられてきたが、コウモリの間でも感染例が見つかっている。

 

また、パラミクソウイルスはある宿主では軽度の感染を起こすが、別の宿主では死に至るという謎もある。

 

ピッツバーグ大学のウイルス学者であるポール・デュプレックス氏は、おたふく風邪を含むパラミクソウイルス亜科の一つであるルブラウイルスが懸念されると『アトランティック』紙に語った。

 

ヒト、類人猿、ブタ、イヌが自然宿主であり、近距離では容易に感染する。

 

そして麻疹は、9世紀にペルシャの医師によって初めて記録された。

 

1757年にスコットランドの医師が患者の血液からウイルスの原因となる感染因子を発見した。

 

ロッキー・マウンテン研究所の分子病態学ユニットのチーフであるエミー・デ・ウィットは、『アトランティック』紙に、麻疹はいずれ根絶され、予防接種の必要性はなくなると語った。

 

しかし、天然痘がそうなったとき、その代わりに麻疹が流行したのである。

 

2022年に発表された報告書『オーストラリアのパンデミック対策強化』では、パラミクソウイルスを取り上げている:

 

「世界がヒト、動物、植物、環境の健康とのつながりをより深く理解するにつれて、ウイルスは驚くべき速さで動物からヒトへと移動している。既知のウイルスに加え、毎年平均して2種類の新種のウイルスがヒトに感染しており、その割合は増加の一途をたどっている」

 

これらのウイルスの多くはパンデミック(世界的大流行)の可能性を持っている。