【Insider Paper】時事通信9月26日 5時28分
https://insiderpaper.com/saudi-arabia-amid-israel-talks-sends-envoy-to-west-bank/
米国の仲介でイスラエルと関係正常化の可能性を探る協議を行っているサウジアラビアは9月26日(火曜)、代表団を30年ぶりにヨルダン川西岸地区に派遣した。
サウジアラビアのパレスチナ非駐在大使であるネイフ・アル・スダイリ氏が率いるこの代表団は、パレスチナのマフムド・アッバス大統領とパレスチナのトップ外交官であるリヤド・アル=マリキ氏と会談する予定だった。
ヨルダンに駐在する石油王国の特使であるスダイリは先月、パレスチナ自治区のポストにも指名され、エルサレム総領事にも任命された。
ヨルダンから陸路で移動した代表団は、イスラエルとパレスチナの紛争終結への道を開くことを目的とした1993年のオスロ合意以来、サウジアラビアがヨルダン川西岸を訪問する初めてのケースとなった。
サウジアラビアの訪問は、ワシントンがイスラエルとサウジアラビア(イスラム教の2つの聖地の守護者)の間で、中東のゲームチェンジャーとなるような正常化についての協議を主導しているときに実現した。
匿名を条件にAFPの取材に応じた交渉に詳しい関係者によると、この協議にはサウジアラビアに対する安全保障と民生用核開発計画への援助が含まれているという。
イスラエルは2020年にアラブ首長国連邦、バーレーン、モロッコとの関係を樹立したが、サウジアラビアはこれまで、イスラエルとパレスチナとの紛争が解決するまで、それに追随することを控えてきた。
しかし、サウジアラビアの皇太子で事実上の支配者であるムハンマド・ビン・サルマンは先週、双方は「近づきつつある」と述べた。
ここ数カ月、イスラエルはサウジアラビアに代表団を派遣し、ユネスコ会議を含むスポーツやその他のイベントに参加している。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は9月22日(金曜日)、国連で「イスラエルとサウジアラビアの歴史的な和平」の「頂点にいる」と信じていると語った。
87歳のアッバスは以前、パレスチナ人の強い懸念を表明していた。
「パレスチナの人々がその完全で正当な民族的権利を享受することなしに、中東に平和がもたらされると考える人々は、間違いでしょう」と彼は国連総会で語った。
1993年のオスロ合意は、パレスチナの独立国家につながるものだったが、長年にわたる交渉の停滞と致命的な暴力により、紛争の平和的解決は遠い夢となった。
最近の暴力の激化により、双方の公式情報筋によれば、今年に入ってから少なくとも242人のパレスチナ人と32人のイスラエル人が死亡している。
過去にイスラエルとパレスチナ間の協議を仲介してきたアメリカは、10年近く前に失敗して以来、2国家解決に向けた大きな働きかけをしていない。
一方、ネタニヤフ首相の強権的な政権は、ヨルダン川西岸地区でイスラエルの入植地を拡大している。
イスラエルは1967年の6日間戦争以来ヨルダン川西岸地区を占領し、後に国際的に認められていない東エルサレムを併合した。
軍はまた、過激派組織ハマスが支配するパレスチナ沿岸部のガザを封鎖している。
ムハンマド皇太子は先週、米ネットワークFOXとのインタビューで、王国はイスラエルとの取引に「近づいている」と述べたが、パレスチナ問題はリヤドにとって依然として「非常に重要」だと主張した。