G20サミット Pixabay
【Insider Paper】時事通信9月6日 6時00分
https://insiderpaper.com/g20-summit-who-is-coming-to-india-and-who-is-not/
ロシアのウクライナ侵攻、世界経済と気候変動への懸念が影を落とすG20サミットが2日間に渡って開催される。
開催国のインドは「ひとつの地球、ひとつの家族、ひとつの未来」という楽観的なスローガンを掲げているが、20カ国・地域(G20)首脳は意見の相違や戦略的な断層によって引き裂かれている。
ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席は、9月9日から10日にかけて首都ニューデリーで開催されるサミットを欠席する。
G20は19カ国と欧州連合(EU)で構成され、世界のGDPの約85%、世界人口の3分の2を占めている。
■■ ここでは、誰が出席し、誰が欠席するのか、重要な問題の一部を紹介する。
米国の指導者は、同盟関係を強化し、発展途上国への支援を提供することに熱心で、ワシントンは中国が苦戦していると評価している。
ジェイク・サリバン国家安全保障顧問によれば、バイデンは「気候変動との戦いから、ロシアのウクライナ戦争による経済的・社会的影響の緩和」まで、様々な問題への取り組みについて話し合うという。
バイデン氏には、ジャネット・イエレン財務長官が同行する。イエレン財務長官は、ワシントンが国際通貨基金(IMF)と世界銀行の改革を求め、発展途上国により良いサービスを提供するため、この10ヶ月で4度目のインド訪問となる。
ホワイトハウスは、G20が「世界的な経済協力の第一人者」としての地位を維持することを望んでいる、とサリバン氏は付け加えた。
■プーチンではなくラブロフ
セルゲイ・ラブロフ外相がロシア代表団の団長を務める。
国際刑事裁判所は3月、ウクライナの子どもたちを不法に国外追放した戦争犯罪の嫌疑で、プーチンに逮捕状を出したと発表した。
クレムリンはこの告発を否定し、プーチンに対する逮捕状は「無効」だと主張している。
先月南アフリカで開催されたBRICSサミットに引き続き、ラブロフがロシア代表団の団長を務める。
■ 習近平ではなく李強
北京は9月4日(月曜日)、李強首相が中国代表団を率いると発表した。
今年、多くの国々が高インフレとコヴィド19の大流行からの回復の遅れによる経済の混乱と格闘する中、サミットはさらに重要性を増している。
世界第2位の経済大国である中国は、消費者需要の低迷、若者の失業率の高騰、重要な不動産セクターの危機といった逆風にあえいでいる。
また、G20開催国のインドとは長年国境紛争が続いており、2020年にはヒマラヤでの死闘により外交関係が凍結された。
今週、インドは中国との国境付近で軍事演習を行っており、サミット期間中も続く予定だ。
世界で最も人口の多い国が持ち回りでG20の議長国を務めており、ナレンドラ・モディ首相はインドと彼自身が世界の舞台で輝く機会を喜んでいる。
しかし、モディ首相は、主要な問題について主要国間の合意を形成するという困難な課題に直面している。
ニューデリーは先週、中国の地図がインドも領有権を主張し、北京と再び対立している。
インドはまた、同じクアッド加盟国である米国、日本、オーストラリアを含む西側諸国との緊密な関係を発展させようとしている。
モディは、アフリカ連合(AU)を加えた21カ国へのグループ拡大を推進すると見られており、この動きはバイデンも支持している。
■その他の国々
ドイツのオラフ・ショルツ首相、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長らが欧州連合(EU)を代表して出席する。
G7のメンバーであるイギリス、カナダ、日本、イタリアからは、それぞれリシ・スナク首相、ジャスティン・トルドー首相、岸田文雄首相、ジョルジア・メローニ首相が出席する。
アジア太平洋地域からは、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領、韓国のユン・ソクヨル大統領、オーストラリアのアンソニー・アルバネーゼ首相が参加する。
トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は直接出席し、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子も出席する予定だ。
G20で唯一のアフリカ諸国である南アフリカの代表団は、シリル・ラマフォサ大統領が率いる。
ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領とアルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領は出席する予定だが、インドのメディアによると、メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は欠席するようだ。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長はオブザーバーとして出席し、IMFと世界銀行のトップも出席する。
その他、バングラデシュのシェイク・ハシナ首相やナイジェリアのボラ・ティヌブ大統領が出席する予定だ。