ザクセン州首相は、パイプラインが復旧すれば5年か10年以内にベルリンのエネルギー輸入を確保できると主張
ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」のガス漏れから発生したガスの放出
© AFP / Airbus DS
【RT】2023年8月28日
https://www.rt.com/news/581966-germany-nord-stream-repair/
ドイツ・ザクセン州の州知事は、昨年9月の海底爆発事故で破裂したロシアとの天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム1」の修復を主張した。
ミヒャエル・クレッチマー州首相は、早急に対策を講じなければ、海水によってパイプラインが修復不可能なほど損傷すると警告した。
8月28日(月曜日)に発行されたドイツの『ヴィルトシャフト・ヴォッヘ』誌のインタビューで、クレッチマーはこう語っている。
「このインフラは5年後、10年後のエネルギー供給を確保することができる」
パイプラインが修理され、水が取り除かれ、密閉され、それによってまずは安全が確保されるというのは、世界で最も普通のことだ、と主張した。
ザクセン州の指導者は、10年後の状況がどうなっているかは誰にもわからないとし、「可能な限り選択肢を広げておくことが賢い政治家の証だ」と強調した。
6月、ロベルト・ハベック経済相は、ウクライナ経由のロシア産天然ガスの供給が来年停止した場合、ドイツは工業能力の一部を縮小、あるいは停止せざるを得なくなる可能性があると警告した。
同氏は、ベルリン当局はエネルギー不足による経済的リスクを軽視すべきではないと述べた。
紛争が続くウクライナとロシアが、2024年末に期限を迎えるヨーロッパへのガス輸送契約を更新するかどうかについては、疑問が残る。
ハベックは、ドイツはロシアのエネルギーからほぼ手を引いたが、オーストリア、スロバキア、イタリア、ハンガリーといった他のEU加盟国は、依然としてロシアのガスに大きく依存していると説明した。
ロシアからの供給が途絶えた場合、EUのガス共有ルールに基づき、ベルリンはこれらの国々を救済しなければならなくなり、自国の産業消費者に問題が生じることになる、と同大臣は当時指摘した。
昨年9月下旬、バルト海に浮かぶデンマークのボーンホルム島沖で、ノルドストリーム1とノルドストリーム2の1本のガスパイプラインがほぼ同時に爆破され、破壊された。
今年2月、米国のベテランジャーナリスト、シーモア・ハーシュは、この破壊工作の背後に米国がいると主張した。
夏にドイツのメディアが報じたところによると、ベルリン当局はパイプラインの破壊にウクライナの諜報機関が関与している可能性を疑っている。