【露】PMCワグナーのクーデター未遂事件におけるプーチン大統領の国民向け演説の要点

エフゲニー・プリゴージンが武装蜂起を呼びかけたとして刑事捜査が開始された。

ロシアのモスクワで、軍事会社ワグネル・グループのオーナーであるエフゲニー・プリゴージンが武装蜂起を呼びかけ、軍隊を引き連れて南部の都市ロストフ・オン・ドンに到着した後、プーチン大統領が国民に向けてテレビ演説を行った

© Getty Images / Gavriil Grigorov

 

【RT】2023年6月24日

https://www.rt.com/russia/578601-recap-putin-address-wagner-coup/

 

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、民間軍事会社ワグネルによるクーデター未遂の中、国民に向けて演説を行った。

 

プーチン大統領は、反乱分子の行動を「裏切り行為」と評し、団結を呼びかけた。

 

 

6月23日(金曜日)遅く、PMCワグナーのボスであるエフゲニー・プリゴジンは、ロシア軍が彼のグループの基地を攻撃したと非難した。

 

 

国防省はこれを強く否定している。ロシア当局は、武装蜂起を行ったとしてプリゴージンに対する刑事捜査を開始した。

 

 

■■ 団結の重要性

 

プーチン大統領は、「ロシアは今日、ネオナチとその主人たち」と対峙し、「その未来のために過酷な戦いを繰り広げている」と主張した。

さらに、「本質的に、西側の軍事、経済、情報マシンの全勢力」がロシアに向けられていると強調した。

 

「わが国民の運命が決定されるこの戦いでは、国民の団結と統合が求められる」とプーチン大統領は演説で述べた。

 

大統領によれば、「外敵はわれわれの内部を弱体化させることができ、またそれを利用することができる」ため、すべての内部対立やいさかいは現在脇に置いておかなければならないという。

 

ロシアの国家元首は、ロシア人の間にくさびを打ち込むような行為は、"わが国とわが国民に対する背信行為 "にほかならないと強調した。

 

 

■■ 苦い歴史の教訓

 

プーチンは、第一次世界大戦の最中だった1917年に、同じようなシナリオがロシアで繰り広げられたことを思い起こさせた。

 

彼は、「陰謀、いがみ合い、軍隊と国民の背後での政治的駆け引き」が、「国家の崩壊」と「内戦の悲劇」につながったことを語った。

 

「ロシア人がロシア人を殺し、兄弟が兄弟を殺し、様々な政治的冒険家や外国勢力がそれに乗じていた。

 

プーチン大統領は、このような事態を防ぐと同時に、ロシアとその国民を守ることを誓った。

 

■■ 脅威の本質

 

プーチンは演説の中で、PMCのクーデター未遂を明確に 「裏切り」と断じた。

プーチンは、この「国と国民に対する裏切り」の背後にある理由として、特定の個人の 「巨大な野心と個人的利益」を挙げた。

 

そして、特にプリゴージンの名前を挙げることなく、責任者たちがウクライナの共同軍の大義と戦死した戦士たちの記憶に背を向けたと非難した。

 

もしクーデターが成功すれば、「無政府状態と仲間割れ」を引き起こし、長期的にはロシアの「敗北」と「屈服」につながるとプーチン大統領は言う。

 

大統領は、「いかなる内部反乱も」ロシアの国家と民族に対する死の脅威であるとした。

 

大統領は、「自ら進んで裏切りの道に入り」、「武装蜂起」を準備した反乱分子に対して「厳しい措置」を取ることを約束した。

 

責任者はロシア国民の前で責任を取らされる、と大統領は国民に約束した。

 

 

■■ 措置

 

プーチン大統領は、「必要な命令はすべて軍やその他の当局に出されている」と明らかにした。

さらにプーチン大統領は、モスクワ、モスクワ地方、その他数カ所で対テロ特別警備体制が敷かれたと付け加えた。

 

ロシア大統領は、ロシア南部のロストフ・オン・ドンの状況は依然として「困難」であり、地元の市民・軍当局の機能は「事実上ブロック」されていると認めた。

 

しかし、国家は同市の状況を安定させるために「断固とした行動」を取るとしている。

 

プーチン大統領は国民への演説の最後に、「国を守り、憲法秩序、市民の生命、安全、自由を守る」ために全力を尽くすと約束した。