【America First Report】BY:マイケル・マハーレイ 2023年6月12日
https://americafirstreport.com/world-bank-global-economic-growth-expected-to-slow-to-2008-levels/
経済が不況に向かっていることは、主流派のほとんどの人が認めているが、その不況は短く、浅いというのがコンセンサスになっているようである。
しかし、世界銀行が発表した予測は、この楽観的な見方を覆すものだった。
世界銀行によると、2023年の世界の成長率は2008年の金融危機以来最低の水準まで減速するという。
つまり、世界銀行は大不況2.0の始まりを予言しているのだ。
大不況が短くも浅くもなかったことを思い出してほしい。
実際、世界銀行グループのチーフエコノミスト兼上級副総裁のインダーミット・ギルは、「世界経済は不安定な状態にある」と述べている。
世界銀行の新しい「世界経済展望」レポートによると、世界の成長率は2022年の3.1%から今年は2.1%に減速すると予測されている。
同行は、今年の後半に大幅な減速があると予測している。
これは2008年の金融危機時の世界の成長率に匹敵する。
世界銀行によると、金利の上昇、インフレ、信用条件の制限強化が景気後退の原動力となる。
報告書は、先進国の成長率が2022年の2.6%から今年は0.7%に減速し、2024年も低調に推移すると予測している。
世界銀行の報告書は、暗い絵を描いています。
世界経済は依然として足踏み状態だ。
「高いインフレ率、逼迫した世界金融市場、記録的な債務残高に阻まれ、多くの国々はただ貧しくなっている」
世界銀行の分析からは、中央銀行による10年以上の人工的な低金利と数兆ドルの量的緩和が、大量の負債とあらゆる種類の経済バブルとともに、世界を席巻し続けているインフレの波をいかに作り出したかについての言及がないのだ。
主流のシナリオに耳を傾けると、インフレはどこからともなくやってきて、中央銀行は無実の被害者であり、金利を上げることでその場を救おうと勇敢に奮闘していると思うだろう。
専門家は金利の上昇を心配するが、金利がこれほど低い状態が長く続いたのは中央銀行の行動によるものであることには決して触れない。
そして、そのような政策がもたらした結果にも気づいていないようだ。
しかし、気づかないからと言って、その結果の影響から逃れられるわけではない。
現実には、中央銀行と政府は、債務の蓄積を奨励することを意図した政策を実施した。
何兆ドルものお金を空から作り出し、世界中に刺激を与え、インフレの怪物を解き放ったのだ。
そして今、彼らは金利を上げることで、自分たちが放ったドラゴンに立ち向かおうとしている。
これは、彼らが意図的に吹き飛ばしたバブルを崩壊させることは必至である。だから、世界銀行は大不況時代の成長率を予測しているのだ。
このような事態は、すべて予想できたことだ。
結局のところ、人為的な低金利は、簡単なお金と借金で成り立っている世界経済の母乳なのである。
その母乳を取り上げると、赤ちゃんはお腹を空かせる。
それが今日起きていることなのだ。
金利が上昇し、バブルは弾け始めている。
そしてそれはおそらく、多くの人が思っているよりもずっと悪いものになるはずだ。
現在の世界経済には、2008年当時よりも多くの不正投資、負債、バブルが存在する。
バブル崩壊は当時よりもはるかに深刻なものになると信じるに足る理由があるのだ。