イタリアのメローニ首相、中国への大きな打撃となる「一帯一路」離脱のトリガーを引く

  

【ゼロヘッジ】タイラー・ダーデン著 2023年5月10日水曜日 - 午前03時44分

https://www.zerohedge.com/geopolitical/italys-meloni-pull-trigger-belt-road-exit-major-blow-china


イタリアのジョルジア・メローニ首相は、世界中で9000億ドルのインフラプロジェクトに資金を提供したとされる中国の「一帯一路構想(BRI)」から正式に撤退するための引き金を引く計画を準備しているようである。

 

 

ここ数週間、メローニ氏が率いる「イタリアの兄弟」党がBRIからの離脱を主導しているとの報道が増えているが、より広範な中道右派連合統一政府内の一部では、この動きに否定的な声も上がっている。

 

 

ブルームバーグは5月9日(火曜日)「イタリアは米国に対し、論争の的になっている中国との投資協定から年内に離脱する意向を示した」と報じている。

 

 

「イタリア首相ジョルジア・メローニは、先週ローマで行われた会合で、ケビン・マッカーシー米下院議長を安心させ、最終決定はされていないが、同国政府は中国の巨大な『一帯一路』構想における役割からの撤退を支持していると、会合に出席した関係者は述べている」とブルームバーグは続ける。

 

イタリアと米国の両政権は、この報道に対して、まだ公式なコメントや確認を行っていない。


しかし、ローマは北京からの経済報復に躊躇している可能性もある。欧州連合EU)は、中国を「罰する」ことを目的とした貿易制限の新パッケージを予告しており、この決定に対する圧力を高めている。

 

FTが5月7日(日曜日)に報じたように、「ブリュッセルは、ウクライナ戦争が始まって以来初めて、ロシアの戦争マシンを支援した中国企業への制裁を提案しており、この展開は北京との緊張を高めそうだ」

 

 

リストには、3HCセミコンダクターズとキングパイテクノロジーという中国本土の企業数社と、香港の企業5社が含まれている。

 

シグマ・テクノロジー、アジア・パシフィック・リンクス、シンノ・エレクトロニクス、トーダン・インダストリー、アルファ・トレーディング・インベストメンツである。

 

しかし、この制裁措置の発効には、まだEU加盟国27カ国すべての承認が必要である。

 

イタリアがBRIから離脱することは、北京にとって重大かつ象徴的な打撃となる。

 

イタリアは、習近平の世界進出構想にとって極めて重要な、物議を醸す中国のイニシアティブに参加した最初のG7諸国であったからである。

 

イタリアは、ジュゼッペ・コンテ首相(当時)の下で正式に署名したのだ。

 

このことがきっかけとなり、中国の影響からローマを遠ざけるために、ワシントンの関与が強まったと広く認識されている。

 

先月のブルームバーグの報道で引用された分析によると、「イタリアは岩と岩の間にある:

メルカトル中国研究所のアナリスト、フランチェスカ・ギレッティ氏はインタビューで、「イタリアは岩と岩の間から抜け出せず、協力協定をどうするかは、メローニにとって本当の外交的難問である」と述べた。

 

「更新すれば、ワシントンに非常に難しいメッセージを送ることになるが、更新しなければ、中国との関係にひずみが生じる」

 

イタリア首相は、5月19日から21日にかけて広島で開催される7カ国首脳会議までに、公式声明を展開する準備ができるかもしれない。



イタリアは中国との航路のつながりもあまりよくない。

 

だからこそ、習近平は以前、イタリアにおけるBRIの重要な目的として、接続性の向上と港の建設を挙げたのだろう。

 

しかし最近、ブルームバーグが指摘するように、「米国はローマに対し、この問題について公的な立場をとり、協定を破棄するよう積極的に圧力をかけている」と話し合いは非公開であるため特定されないよう求めた関係者は述べている。