中国外務省、フィリピン・米国戦争ゲーム開催中のマニラを訪問

image Source: フィリピン沿岸警備隊

 

【インサイダーペーパー】AFPA 2023年4月21日 7:41 am

https://insiderpaper.com/chinese-fm-to-visit-manila-during-philippines-us-war-games/

 

 

中国の秦剛外相は、米国と過去最大の軍事演習を行うフィリピンとの関係を強化するため、4月21日(金曜日)にマニラに到着した。

 

 

フィリピン政府関係者によると、秦氏はフィリピンのエンリケ・マナロ外相と最初の会談を行った後、4月22日(土曜日)にフェルディナンド・マルコス大統領と会談する予定である。

 

秦氏の訪問は、フィリピンと米国が最大規模の合同軍事演習を行う時期と重なり、4月28日まで約18,000人の部隊が実弾射撃や戦闘訓練に参加する。

 

空港にいたAFP記者によると、外相として初のフィリピン訪問となる秦氏は、4月21日(金曜日)の午後10時頃(日本時間14時頃)にマニラに到着したという。

 

マルコス氏は、前任のロドリゴ・ドゥテルテ氏が同盟を切り捨て、経済取引やインフラプロジェクトで北京にシフトした後、ワシントンとの関係を強化しようとしてきた。

 

戦略的な南シナ海で中国とフィリピンの間で領有権の主張が対立しているにもかかわらず、である。

 

外務省(DFA)は声明で、「相互の関心事である地域の安全保障問題」が協議の対象となると述べている。

 

農業、貿易、エネルギー、インフラにおける協力の強化も議題に挙がっている。

 

中国外務省の王文彬報道官は、4月21日(金曜日)に秦氏の訪問はフィリピンとの「相互信頼の強化」と「相違点の適切な処理」を目的としたものであると述べた。

 

「中国は、今回の訪問を通じてフィリピンとのコミュニケーションを強化することを楽しみにしている」と王氏は定例ブリーフィングで語った。

 

 

南シナ海での重複する領有権は、両国間の関係における難題となっている。

 

北京はこの水路のほぼ全域を領有し、そこに数百隻の船舶を配備して海域を巡回させ、岩礁を占拠している。

 

また、その主張には法的根拠がないとする2016年の国際法廷の判決も無視している。

 

 

フィリピンの外交アナリスト、リチャード・ヘイダリアンは、両国関係の現状を考えると、秦氏の訪問は「タイムリーで非常に重要」だと述べた。

 

「私たちは今、フィリピン・中国関係の完全な危機に直面しています」とヘイダリアン氏はAFPに語った。

 

「問題は、中国がフィリピンに何を提供するかということだ。棒なのか、ニンジンなのか。もしニンジンなら、マルコスの考えを変えるのに十分なのだろうか」。

 

秦氏の前任者である王毅氏は昨年、外相として初めてマルコスを訪問し、6月のマルコス当選を「新しいページを開く」と表現し、両国関係の「新しい黄金時代」を作り上げると述べた。

 

しかし、それ以来、マルコスは米国に接近している。

 

マルコスは来月、ジョー・バイデン米大統領と会談し、条約上の同盟国である両国の長年の同盟関係を強化するための取り組みについて話し合う予定である。

 

マニラとワシントンはここ数カ月、南シナ海での共同海上トロールを再開することで合意し、米軍の駐留を拡大することで合意した。

 

マルコスはまた、当初5カ所とされていた2014年の協定に基づき、米国がさらに4カ所で部隊をローテーションさせることを許可している。

 

新しい拠点には、台湾に近い北部の州の海軍基地と空港、南シナ海に近い島の空軍基地が含まれる。

 

フィリピン軍はアジアで最も弱い軍隊の一つだが、台湾とその周辺海域に近いことから、中国との紛争が発生した場合、米国にとって重要なパートナーになる。

 

外務省によると、秦氏の訪問は、マルコスが1月に北京を訪問し、中国の習近平国家主席と紛争の「友好的」な処理について合意したことも踏まえて行われる。

 

その数週間後、マニラは中国船がフィリピンの巡視船に対して軍事用のレーザー光線を使用したと非難した。

 

 

外務省は、マルコスが昨年大統領に就任して以来、中国の「フィリピンの水域における執拗かつ違法な存在」に対して70件以上の抗議を行ったと発表している。