米国銀行の伝染病がアジアに広がる

世界的な株安の中、MSCIアジア太平洋指数は2023年の上昇分を帳消しに

 

FILE PHOTO. © Peter Parks / AFP

 

【RT】2023年3月14日

https://www.rt.com/business/572945-asia-bank-stocks-drop/

 

アジアの主要株価指数は3月14日(火曜日)、年初来の上昇分をすべて帳消しにした。

銀行株が、増え続ける米国の金融機関の破綻をきっかけに下落を続けているためである。

 

MSCIアジア太平洋指数は2.3%下落し、日本の銀行が市場の最大の足かせとなった。

同指数は、1月に記録した今年の高値から9%以上下落し、今年の利益を帳消しにしている。

MSCIは、中国の再開による楽観的な見方を反映して、今年第2取引週に強気相場に入った。

 

東京株価指数TOPIX)は3%近く下落し、1日の下落幅としては5カ月以上ぶりの大きさとなり、MSCI ASEAN指数は1月の高値から9.8%下落した。

 

一方、日本以外のアジア太平洋地域の株式を対象とするMSCIは1.47%下落し、年初来安値を更新した。

 

ソシエテ・ジェネラルのアジア株式戦略責任者フランク・ベンジムラは、「米国の景気後退が従来の予想より早く起こるリスクが高まっていることにアジア株が反応している」と述べ、「韓国や日本などの循環型市場、循環型セクターや小型株はこの文脈でより影響を受けがちだ」と付け加えた。

 

 

日本の銀行株は3月14日(火曜日)に大きく下落し、東京上場の三菱UFJフィナンシャル・グループの株は8.59%の下落に直面した。

 

三井住友フィナンシャルグループは7.57%、みずほフィナンシャルグループは7.14%下落し、ハイテクに特化した大手ソフトバンクグループは4%以上下落した。

 

IGのアナリスト、イープ・ジュンロン氏は3月14日(火曜)のメモで「世界的な景気後退の懸念が、バリュー重視の地域には引き続き圧力をかけている」と指摘した。

 

投資家は、規制当局が預金者保護のための緊急措置を発表した後も、米国の金融機関3社の破綻による波及を懸念して銀行株を手放し続けている。