ロシアは食糧危機への援助を提供する

プーチン大統領、欧米が政治的動機による制裁を解除すれば、モスクワは穀物と肥料を輸出する用意がある、と述べた。

 

   Russia offers help with food crisis
ファイル写真: カナダのブランプトンで、供給不足を恐れて食料品や必需品を買いだめしている人々がいる中、スーパーマーケットでは空の棚が見られる。© Sayed Najafizada / NurPhoto via Getty Images

 

 

世界的な食糧不足はモスクワの責任ではないが、ロシアは穀物や肥料を輸出することで食糧不足を緩和する用意がある-西側が「政治的動機による」禁輸措置を解除すれば-と、ウラジミール・プーチン大統領は5月24日、イタリアのドラギ首相に電話会談で語った。

 

クレムリンの発表によると、プーチン大統領は、ロシアが世界市場に農産物を供給することに問題があると非難するのは「根拠がない」と指摘した。

 

プーチンは、この状況は「生産とサプライチェーンの混乱、およびコロナウイルスの大流行時の西側諸国の金融政策」のせいであり、ウクライナ紛争をめぐる米国とEUの「反ロシア的制限によって悪化しただけだ」と指摘した。

 

ロシアは、欧米の禁輸措置が解除されれば、肥料と穀物の輸出によって「食糧危機の克服に大きく貢献する」用意があるとプーチンは述べた。

 

 

ウクライナ情勢について議論している間、プーチンはドラギに、ロシアがアゾフ海海上交通のために再開し、黒海ではキエフ政府によって妨げられている民間船のための安全航路を維持していることを伝えた。

 


ドラギの要請によるこの呼びかけは、同国政府がウクライナの和平案を提案したとするイタリアメディアの報道を受けたものだ。日刊紙『La Repubblica』によると、イタリアのルイジ・ディ・マイオ外相が先週、敵対行為の終結に向けた提案を国連に送ったという。

 

クレムリンとロシア外務省のスポークスパーソンによると、今のところローマからそのような提案は受け取っていないとのことだ。

 

プーチンはドラギに、モスクワは「イタリアへの天然ガスの継続的な供給」と「既存の契約による固定価格での供給」を継続すると安心させたのである。

 

ローマは以前、ガス代をルーブルで支払うことを拒否し、ドラギ自身もエネルギーを他で購入するようキャンペーンを張っていたが、先週になってようやくその方向へ転換した。