ロシア経済は予想以上に好調 - JPモルガン

ウォール街の銀行は、制裁のため緩やかな景気後退にとどまると予想

 

  

  © Getty Images / Tim Bieber

 

ロシア経済はウクライナ関連の欧米制裁に予想以上に対処していると、JPMorgan Chaseは先週付の顧客向けメモで述べ、5月9日(月曜日)に公開した。

 

米国最大の投資銀行によると、同国の企業景況感調査は「ロシアがそれほど深くない景気後退を示唆しており、したがって我々の成長予測に上方リスクを示唆している」。また、電力消費量や金融フローなどの高頻度指標を挙げ、経済が予測よりも良い状態にあることを示唆している。

 

「手元のデータは、少なくとも今のところ、経済活動の急激な落ち込みを示唆するものではない」と、Business Insiderが引用したように、同行のアナリストはメモの中で述べている。

 

JPモルガンはまた、ロシアのGDPが第2四半期に35%減少し、2022年全体では7%減少するという以前の予測を撤回し、現在はこの数字はそれほど心配する必要はないだろうとしている。

 

しかし、現在および将来の制裁措置の影響は避けられないとし、モスクワがウクライナで軍事作戦を開始しなければ、ロシア経済ははるかに良好な状態にあっただろうと述べている。

 

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「制裁の影響は今後数四半期に渡って続くと思われます。そのため、GDPは長引くが、それほど急激ではない景気後退と一致する可能性が高まっている」とアナリストは予測し、輸出注文が特に減少していることを指摘している。

 

ロシアはウクライナで軍事行動を開始し、西側諸国から激しい非難を浴びて以来、前例のない経済的制限に直面している。

米国はロシアの主要輸出品目である石油を禁輸するなどしており、EUは現在、6回目の制裁措置を準備中で、石油の禁輸も検討している。

 

ロシアは銀行間メッセージングシステムSWIFTから遮断され、銀行、組織、個人が制裁を受け、外貨準備の半分を含む資産が凍結されている。

ロシアは対抗措置を講じ、歴史的な下落を見せた自国通貨ルーブルを紛争前の水準に戻すことに成功したが、経済の先行きについてはアナリストの間でも不安が多い。