米国は「史上最も危険な時期」にある-トランプ氏

アメリカはアフガニスタンでの「降伏」によって、敵国からの尊敬を失ったと元大統領は考えている。

 

    

FILE PHOTO: 米ノースカロライナ州セルマで集会を開くドナルド・トランプ米大統領(2022年4月9日撮影)。© AFP / アリソン・ジョイス

 

ジョー・バイデンの大統領就任は、アメリカの国際姿勢に破滅的な影響を与えたと、前アメリカ大統領のドナルド・トランプ氏が4月20日フロリダ州で開催されたヘリテージ財団のイベントで主張した。

アフガニスタンからの性急な撤退は、中国、ロシア、イランを含む敵対国の目から見て、ワシントンを弱体化させたと彼は考えている。

 

「中国はもはや我々を尊敬しておらず、イランはもはや我々を恐れていない。そしてウクライナへの恐ろしい侵略によって、ロシアは我々のリーダーがいかに弱いと考えているかを示した」とトランプ氏はイベントで語り、こうした動きがアメリカを「我が国の歴史の中で今最も危険な時期」に導いている、と付け加えた。

 

トランプ氏は、アフガニスタンから急いで撤退したことで、タリバンが国を一挙に支配してしまったことがすべての原因だと非難した。「わが国はアフガニスタンで屈辱を味わった。兵士を殺され、アメリカ人の人質を置き去りにし、...アメリカの軍用ハードウェアを残した。」トランプはこう説明した。「我々は降伏した」

 

トランプ氏はまた、自分の時の政権もアフガニスタンからアメリカ軍を撤退させる予定だったが、自分が計画していたことをやり遂げることが許されたなら、アメリカは「威厳と偉大な尊厳と大きな力をもって去るだろう」と主張している。

 

トランプはまた、中国の活動を監視するためだけに、バグラム空軍基地(かつてアフガニスタンの首都カブールの北に位置する米国最大の施設)での米国の駐留を維持すると主張している。

 

「この基地は、中国が核兵器を製造している場所から1時間のところにある。何年も前に何十億ドルもかけて建設されたからで、今のところ、中国がバグラムを所有し運営することになるように見える」と、トランプ氏は主張した。

 

前大統領はまた、もし自分がホワイトハウスに残っていたら、ロシアによるウクライナ攻撃は許されなかっただろうと主張している。「トランプ政権下では決してそんなことはしなかっただろう。決して、可能性すらない」と主張し、大統領時代にモスクワは新たな軍事衝突を起こさなかったと付け加えた。

 

「ロシアはブッシュ大統領時代にグルジアジョージア)を占領した。ロシアはブッシュ大統領の下でグルジアを占領し、オバマ大統領の下でクリミアを占領した。と述べ、シリアとイラクから米軍を撤退させ、アフガニスタンでのアメリカのプレゼンスを低下させたにもかかわらず、であることを付け加えた。」

 

グルジア軍が南オセチアの首都ツヒンバルを砲撃し、ロシアの平和維持軍を殺害した後、モスクワは南オセチアアブハジアの自称共和国を支援したのである。トビリシは1991年以来、これらの共和国を支配していないが、ほとんどの国は、これらの地域をグルジアの一部とみなしている。

 

ロシアは2008年の紛争で領土を「奪取」しなかったが、南オセチアアブハジアからグルジア軍を追い出すのに協力し、その後両共和国を承認した。トビリシはこれを受けてモスクワと国交を断絶した。