【NOQ】by: ディディ・ランコヴィッチ 2022年4月9日
■■ 監視国家
デジタル著作権擁護団体は、EUが「Prüm II」と呼ばれる提案によって、世界最大の生体認証監視インフラを構築しようとしていることを非難している。
オリジナルのプリュム条約は、2005年にオーストリア、ベルギー、フランス、ドイツ、ルクセンブルグ、オランダ、スペインによって、EUの枠組みの外で、しかしEUの他の加盟国には「オープン」に署名され、その後27カ国中14カ国が加盟している。
この条約は、犯罪やテロに対処するための国境を越えた協力関係を強化することを目的としている。この条約が意味するところは、締約国が指紋やDNA、自動車の所有者情報などのデータを収集し、処理し、共有することにある。
しかし、「Prüm II」では、この協力関係をさらに拡大するために、顔認識データが大幅に追加されることになっている。そして、人権やプライバシーの観点から非常に議論の多いこの技術をEUが利用する計画で、その規模は、何百万人もの人々の顔を取り込む「前例がない」と報道されている。
この膨大なデータベースは、欧州各国の警察が顔認識アルゴリズムを用いて容疑者の写真と照合する際に、自動化されたプロセスで利用することができる。
この提案はもともと昨年提出されたもので、EU加盟国の法執行機関間の自動データ交換に関する欧州議会とEU理事会の規制を作成することを目的としている。情報公開請求への回答など、詳細が明らかになるにつれて、権利活動家たちの批判の声が大きくなってきた。
欧州デジタル著作権(EDRi)政策アドバイザーのエラ・ヤクボウスカは、EUが作ろうとしているのは「世界で最も大規模な生体認証監視インフラ」だとするWiredの発言を引用している。
EUがここで目指しているモデルは、「ライブ」とは対照的に、遡及的顔認識と呼ばれるもので、ライブ画像と警察のデータベース内の画像を比較するものである。監視カメラ、ソーシャルメディア、携帯電話、さらには運転免許証の画像など、さまざまなソースから取得した画像を警察当局間で共有する。
EUの広報担当者は、「人間が一致する可能性のあるものを審査する」と主張している。