【ナチュラルニュース】2025年9月18日 ウィロー・トヒ著
ベルリン新聞が報じたところによると、欧州議会議員であるAfD党のペトル・ビストロン氏による議会調査に基づき、
欧州委員会は2024年の欧州議会選挙直後、組織犯罪・腐敗調査報道プロジェクト(OCCRP)に60万ユーロ以上を秘密裏に拠出したという。
これは、米国政府がOCCRPへの資金提供を停止したことに続く動きである。米国政府は以前、米国国際開発庁(USAID)を通じてOCCRPに多額の資金を提供していた。
この件は、民主主義プロセスへの非公開組織の影響力と、隠密組織の役割に関する深刻な懸念を招いている。
批判者らは、この資金提供は、選挙期間中に保守派やEU懐疑派の政治家たちを攻撃する名誉毀損キャンペーンを仕掛けたOCCRPへの報奨であると主張している。
OCCRPは長年にわたり、米国政府やその他の西側諸国政府から資金提供を受けており、当初はUSAIDを通じて、その後は欧州のメディアネットワークを介して資金が提供されていた。
2024年、ドナルド・トランプ大統領の再選後、トランプ政権はOCCRPを政治利用の道具とみなして資金提供を停止した。USAIDの支援が停止されたことで、EUは空白を埋めるべく動き、批判者らがEUの権力構造の宣伝機関とみなすOCCRPに補助金を拠出した。
■■OCCRPは西側諸国の政府に深く浸透している
ドリュー・サリバン氏が共同設立したOCCRPは、世界各地で精力的な活動を展開してきた。サリバン氏は、ドイツNDRが制作したドキュメンタリー番組(後に圧力によって削除された)の中で、OCCRPが「5~6カ国の政権打倒を支援した」と公言した。
これらの活動は、調査報道ではなく、明白な政治介入であると批判されている。
2019年のトランプ大統領弾劾事件におけるOCCRPの役割は、広く知られている。
調査報道ジャーナリストのマシュー・シェレンバーガー氏は、2025年初頭に、弾劾手続きのきっかけとなったCIAの告発文書にOCCRPの情報が4回引用されていたと証言した。
シェレンバーガー氏は、USAIDと米国務省が予算承認や人事などOCCRPの運営を直接監督していたと指摘し、OCCRPは独立した組織ではなく、米国情報機関によって管理された政治利用の道具だったと述べている。
■■EUが展開するキャンペーン、ウクライナ戦争批判者を標的に
欧州では、OCCRPの提携メディアが選挙前キャンペーンを展開し、ウクライナ戦争を批判する人物を「モスクワの工作員」とレッテル貼りした。
標的にされた政治家には、チェコ元大統領のヴァーツラフ・クラウス氏、元外相のチリル・スヴォボダ氏、そしてOCCRPの「調査」後、自宅と事務所に23回もの警察捜査を受けたAFD(ドイツ・選択肢)党のペトル・ビストロン氏などが含まれる。
容疑や証拠が一切ないにもかかわらず、このキャンペーンは政治的に大きなダメージを与えた。ビストロン氏は、選挙後に支払われた資金について、「選挙結果に大きな影響を与えた人物への報酬」だと述べている。
■■報道機関を装った政治工作
OCCRPは、報道機関を装った政治工作の道具へと変貌した。批判者らは、OCCRPの関係者が、組織犯罪の摘発から、組織的な名誉毀損や中傷による政治的対立者の排除へと活動の軸足を移していると指摘する。
米国からの資金提供が停止された後、EUがOCCRPに資金援助を行ったことは、この変化をさらに明確にしている。
批判者にとって、OCCRPが米国支援の代理機関からEUの傀儡へと転じたことは、メディアを政治的武器として利用する動きが一段と深刻化したことを意味する。
■■なぜ今、この問題が重要なのか
欧州委員会によるOCCRPへの資金提供は、倫理的、民主主義的な観点から深刻な問題を引き起こしている。
OCCRPはこれまで、政府の監視下に置かれ、政治キャンペーンに介入してきた歴史がある。こうした経緯は、報道機関と政治活動を混同することの危険性を浮き彫りにしている。
EUからの資金流入は、OCCRPの影響力を拡大するだけでなく、民主主義プロセスが操作されているという懸念をさらに強めている。
メディアへの信頼がかつてないほど重要視される時代において、こうした事実は、資金源の透明性と説明責任の必要性を改めて認識させるものだ。
この問題はOCCRPだけのものではなく、民主主義選挙への国家による介入の深層と、国民の税金で運営される組織が政治的物語に及ぼす影響を広く探究するものである。
表面上は独立した報道機関であるかのように振る舞いながら、政府機関が資金援助を続けることは、報道の自由の現状と、公共の利益と政治的意図とのバランスについて、深刻な疑問を投げかける。
■■報道を装ったプロパガンダの台頭
OCCRPが米国支援の代理機関から、ブリュッセルに資金提供されるプロパガンダの道具へと変貌したことは、政府資金によるメディア活動の影響力の拡大を物語っている。
西側諸国の政策立案者は、腐敗や組織犯罪対策のためにこうした資金が必要だと正当化するかもしれないが、実際には、それはメディアの独立性を損なう危険な先例となる。
民主主義プロセスを操作することに潜む倫理的問題は、決して無視できるものではありません。
OCCRPがEUからの支援を受け続ける以上、一般市民と政策立案者は警戒を怠ってはならず、調査報道が権力者の不正を暴くためのツールとして機能し続けるよう、常に監視していくことが不可欠です。