【ナチュラルニュース】2024/07/22 ゾーイ・スカイ 著
環境中のマイクロプラスチック汚染は、多くの悪影響を伴う世界的な問題である。
いくつかの研究では、マイクロプラスチックが人体に入ると、心臓発作や脳卒中、さらには死亡といった健康問題のリスクを高める可能性があることも示唆されている。
プラスチックは工業生産に欠かせない製品であり、日常生活に浸透している。しかし、プラスチック製品が分解されると、より小さなマイクロプラスチックやナノプラスチックに変化する。
マイクロプラスチックは5ミリ以下のプラスチック片で、ナノプラスチックは1ミクロン(1000ナノメートル)以下である。
微生物学の博士号を持つウイルスの専門家である林暁秀によれば、日常的なプラスチック製品はマイクロプラスチックを「放出」しているという。合成繊維でさえ繊維片を放出し、使い古したタイヤはプラスチックを含む塵を放出する。
つるつるのペットボトルも、洗濯の際にマイクロプラスチックを排出する。このようなペットボトルが自然の中に放置されると、太陽光と紫外線によってプラスチックは絶えず分解され、より小さな粒子になり、マイクロプラスチック汚染をさらに助長する。
以下のものもマイクロプラスチック汚染の原因となっている。
バッグ
ボトル
バッグ ボトル 漁網
衛生用品
工場から排出される微粒子
繊維製品
タイヤの粉塵
残念なことに、人間や一部の動物はこれらの微粒子をしばしば摂取し、その他のプラスチック微粒子は海や土壌に蓄積・分解される。
特に海岸線に近い小魚、貝類、エビなどの海洋生物は、有害なマイクロプラスチックを摂取しやすい。
林は、マイクロプラスチックの主な発生源は産業廃棄物と廃水であり、放置すれば大きな環境破壊を引き起こすと説明した。
工場から廃水が排出される前に、生物反応、塩素処理、膜技術、砂除去、沈殿、スクリーニング、紫外線処理などの徹底的なプロセスを経て、マイクロプラスチックの90%以上を除去しなければならない。
しかし、現代の技術をもってしても完全な除去は不能であり、自然環境はマイクロプラスチックを完全に分解するのに数千年から数万年かかるかもしれない。
マイクロプラスチックに関連する健康リスク
マイクロプラスチックは通常、飲食物の摂取によって体内に入る。一方、ナノプラスチックは吸い込むことができる。
粘膜を直接刺激する以外に、マイクロプラスチックはバクテリアやウイルスなどの環境微生物を体内に持ち込む可能性がある。
林によれば、人は一度有毒なものを摂取すると、すぐに洗い流せると言うことが多いという。しかし、マイクロプラスチックは非常に小さな粒子で、「胃の表面に付着する」。
洗えばマイクロプラスチックが除去されるという保証はないと警告した。さらに、身体はゆっくりとマイクロプラスチックを排除する必要があるが、これは 「身体への負担 」を増加させると付け加えた。
いくつかの研究で、自然環境下で紫外線や微生物による分解にさらされた後、「マイクロプラスチックは吸着性を増し、その表面で様々な環境汚染物質と複合体を形成し、生物に対する毒性を強める 」ことが明らかになっている。
危険な重金属や病原体のキャリアとして機能するマイクロプラスチックは、体内に入ると様々な毒性を示す。
また、食品を通して摂取されたマイクロプラスチックのほとんどは糞便を通して排泄されるが、ごく一部は数日間腸内に留まる可能性がある。
その結果、炎症、腸管損傷、腸内細菌叢の崩壊を引き起こす可能性がある。
マイクロプラスチックは最終的に腸の細胞に吸収され、血流に入り、全身の臓器やシステムにダメージを与える可能性がある。
肝臓や腎臓のような臓器や、免疫系、神経系、生殖系などの身体システムが影響を受けることが多い。
また、マイクロプラスチックの過剰な吸入は、呼吸器組織の損傷や病気を引き起こす可能性がある。
ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌に掲載された研究によると、頸動脈プラークのほとんどにマイクロプラスチックが含まれているという。
この研究では、18歳から75歳の無症候性頸動脈狭窄症患者257人を対象とした。
除去された頸動脈プラークからは、ポリエチレンが150人(58.4%)、ポリ塩化ビニルが31人(12.1%)検出された。
研究チームは、プラーク内のマクロファージには目に見える異物が含まれており、中にはギザギザのエッジや塩素を含むものもあったと報告した。
また、マイクロプラスチックが検出された患者は、検出されなかった患者に比べ、心臓発作、脳卒中、死亡のリスクが4.5倍以上高かったという。