【OIL PRICE com.】イリーナ・スラヴォ著 2024年6月27日‐2:49 AM CDT
欧州最大の風力・太陽光発電建設会社スタットクラフトは、今後の計画を修正し、新規の風力・太陽光発電設備の建設は以前より減少する見通しだ。
修正の理由は、コスト上昇と電力価格の低下により、これらのプロジェクトの採算性が損なわれているためだ。
「化石エネルギーから再生可能エネルギーへの移行は、ヨーロッパだけでなく世界中で加速している。しかし、再生可能エネルギー産業全体の市場環境は、より厳しくなっている」とノルウェー企業の最高経営責任者は語った。
欧州各国は風力発電と太陽光発電の導入に躍起になっているが、その結果、電力料金に予想外の影響を及ぼしている。それは、風力発電や太陽光発電が豊富な時間帯に価格が下がり、ゼロを下回ることさえあるのだ。
過去1年間、欧州の卸電力市場ではマイナス価格が頻発するようになり、需要に合わせて出力を調整できない発電事業者にとっては問題になっている。
電力価格のマイナス傾向に加え、金利が高止まりしているため、風力発電や太陽光発電の生産コストは依然として高く、設備建設に借り入れ資本に大きく依存している産業にとっては、借り入れコストが高くなっている。
マイナスの電力価格による利益率の低下も相まって、風力発電と太陽光発電は非常に厳しい環境となっている。
その結果、スタットクラフトは2026年以降、陸上風力発電、太陽光発電、蓄電池を年間2GWから2.5GWの間に建設する計画を立てている。
洋上風力発電の目標も修正され、2040年までに合計10GWから6GWから8GWになった。