ガザ--嘘の裏に隠された真実  


 【PJMedia】2024年3月29日 12:17 AM   ビクター・デイヴィス・ハンソン著

https://pjmedia.com/victor-davis-hanson/2024/03/29/gaza-truths-behind-all-the-lies-n4927754
占領されたガザ

10月7日以前、イスラエルにはおよそ200万人のアラブ系市民がいたが、ガザにはユダヤ系市民はいなかった。

 

2006年、ガザ市民はハマスに投票した。パレスチナ自治政府のライバルを即刻処刑した。


ハマスは今後予定されていた選挙をすべて中止した。

 

独裁体制を確立し、数千億ドルの国際援助を軍事施設の広大な地下迷宮の建設に流用した。

 

■■巻き添え被害

ハマスが意図的に民間人を標的にした戦争が始まった。10月7日、平和で休暇の多い時期にイスラエルに侵攻し、民間人を虐殺した。

 

非戦闘員を殺すことだけを目的に、イスラエルの都市に7000発以上のロケット弾を打ち込んだ。

 

どのような状況であれ、ユダヤ人の死は喜ぶべきことだと考えているため、イスラエル市民の巻き添え被害に対する語彙はない。

 

ハマスのテロ拠点は、病院、学校、モスクの地下や内部にある。なぜか?

 

イスラエルは、ハマスがガザの市民を人間の盾としてさらすことよりも、ガザの市民を巻き添えにして攻撃することに抵抗があると思われるからだ。

 

■■不釣り合い

私たちは、イスラエルがガザでの報復に不釣り合いな武力を使うのは間違っていると言われる。しかし、どの国も、敵によって傷つけられる以上に敵を傷つける不釣り合いな暴力なしには戦争に勝てないからだ。

 

アメリカは、枢軸国が始めた戦争を終わらせるために、不釣り合いな力でドイツと日本の都市を焼却した。

 

イラクアメリカ軍は、罪のない人々の中に隠れていたイスラム武装集団を根絶やしにするため、不釣り合いな力でファルージャやモスルをほぼ壊滅させた。

 

ハマスも不釣り合いな暴力には異論がある--ただし、それがハマスではなくイスラエルによって達成される場合に限る。

 

■■二国間解決

10月7日以前は、イスラエルヨルダン川西岸地区、ガザがそれぞれの政府によって統治される別個の国家であり、そのうちの2つは予定されていた選挙もなく非合法であったことから、事実上の3国家間解決策が存在した。

 

隣国を破壊するという「川から海まで」のアジェンダを制度化したのは、イスラエルではなく、ガザとヨルダン川西岸の人々だった。

 

イスラエルは、自分たちの 「一国家解決策」を形成しようとする多世代にわたる努力の中でイスラエルを破壊しようとしない、自治権を持つアラブのガザとヨルダン川西岸地区の隣に住むことに満足していただろう。

 

■■停戦

いわゆる国際社会は、イスラエルが「停戦」に同意することを要求している。しかし、10月7日以前にすでに停戦は行われていた。ハマスがそれを破ったのは、1200人のユダヤ人を虐殺し、250人以上の人質をとったからだ。

 

ハマスがその和平を破ったのは、ユダヤ人を殺害することでイスラエルに対する影響力を得られると考えたからだ。

 

ハマスが今また停戦を要求しているのは、もはや非武装ユダヤ人をこれ以上殺害することはできないと考えているからだ。

 

それどころか、ハマスイスラエルを破壊しようとして失敗したように、イスラエルハマスを破壊することを恐れているのだ。

 

ハマスが停戦を求めたのは、10月7日に500人のユダヤ人を虐殺した後だっただろうか?

 

■■ラマダ

ジョー・バイデン大統領は、イスラム教のラマダン(断食月)の祝日にはイスラエルが停戦に同意する必要があると考えている。

 

しかし、ハマスや他のアラブ軍が、ユダヤ人、あるいは自国の宗教的祝日を尊重したことがあっただろうか?

 

10月7日の大虐殺は、安息日のシムチャト・トラー、シェミニ・トラー、シェミニ・アツェレトというユダヤ教の宗教的祝日を祝っているイスラエル人を油断させるために行われた。

 

さらに、ハマスの奇襲攻撃は、約50年前のアラブによるイスラエルへの奇襲攻撃を記念して意図的に行われた。

 

1973年10月6日、ヨム・キプールの宗教的祝日を祝っていたイスラエル人は奇襲攻撃の標的になった。

 

アラブ軍もまた、自分たちの宗教的祝日であるラマダン(断食月)に攻撃すれば、より大きな奇襲ができると考えていた。

 

そのため、アラブ軍はユダヤ教と自国のイスラム教の祝日の両方に臨機応変に戦う。エジプト人とシリア人は、1973年のイスラエルへの奇襲攻撃を 「ラマダン戦争」と今でも自慢している。

 

ラマダン中に戦争があってはならないと考えているのは、アラブ人ではなく欧米人だけだ。

 

■■民間人の犠牲

イスラエルは、民間人の死を防ぐために兵士の命を危険にさらす。ハマスがテロリストの死を防ぐために民間人の命を危険にさらす。

 

イスラエルはそれを失敗とみなし、ハマスも兵士よりも民間人が死ぬ方が世界的に有利だと考えている。

 

■■海外援助

バイデン政権は、イスラエルが戦争を始めたにもかかわらず、ハマスへの報復を続けるのであれば、イスラエルへの援助を打ち切るか、遅らせる、と脅している。

 

だから政権は、10月7日のハマスの虐殺の後、ハマスの攻撃前にガザに与えた以上の援助をガザに与えると約束している。

 

■■囚人たち

ハマスに好意的な国際社会は、それにもかかわらず、ハマスの捕虜になるよりもイスラエルの捕虜になる方が安全だと知っている。

 

女性はイスラエル人に拘束されてレイプされることはないが、ハマスにはレイプされることを知っている。

 

また、非武装の人はイスラエル人よりもハマスに切り刻まれたり首を切られたりする可能性が高い。

 

国際社会がハマスよりもイスラエル戦争犯罪で告発する可能性が高いのは、ユダヤ国家がハマスが有益だと考える民間人の死を避けようとしているからなのだろうか?