ハンガリー、新たな反EU調査を開始

Hungary launches new anti-EU survey

AFP=時事 Pixabay

【Insider Paper】AFP通信2023年11月17日 8時28分

https://insiderpaper.com/hungary-launches-new-anti-eu-survey/

ハンガリー政府は11月17日(金)、戦争で荒廃したウクライナ欧州連合EU)加盟の可能性など、欧州連合EU)の政策に反対する「国民協議」を開始した。

 

ヴィクトール・オルバン首相のナショナリスト政権は、2015年以来、大規模なマルチメディア・キャンペーンに支えられたこのようなアンケートを頻繁に利用し、自らの立場の正当性を主張し、EUの政策を攻撃してきた。

 

税金で賄われたこのアンケートは、「わが国の主権擁護に関する国民協議」と題されているが、法的な効力はない。

 

しかし、11月10日(金)、オルバン首相は、もし政府がこのアンケートで自分たちの政策を「確認」することができれば、「テロ行為との(明確な)関連性」があると以前に述べた移民問題をめぐるブリュッセルとの戦いで「持ちこたえ」続けることができると述べた。

 

アンケートの11の質問に対して、回答者は2つの選択肢からしか選べない。

1つの例を除いて、最初の選択肢はハンガリー政府の姿勢を支持し、EUの想定している政策に反対するものである。

 

もうひとつは「受け入れる」である。

 

ハンガリーは27カ国のEU加盟国だが、オルバンは移民問題だけでなく、メディアや裁判所の独立性、LGBTQの権利といった問題でも、自国のEUパートナーと定期的に衝突している。

 

政府は11月17日(金曜日)にフェイスブックのページでアンケートに含まれる質問を公開した。

 

ほぼすべてが、移民を含むEUの政策に関連するものである。

 

ハンガリーは、EU加盟国間で庇護申請者の受け入れ責任を分担したり、その費用を負担しようとするEUの庇護規則改革案に反対している。

 

アンケートのある質問では、「ブリュッセルハンガリーに移民ゲットーを作りたがっている」と主張している。

 

もうひとつは、「ブリュッセルからパレスチナ組織への助成金ハマスにも届いている」というものだ。

どちらの疑惑も立証されていない。

 

イスラエル当局によれば、過激派組織ハマスが10月7日にガザ地区からイスラエルに攻撃を仕掛け、1200人(そのほとんどが民間人)を殺害し、約240人の人質を取った。

 

イスラエルは容赦ない空爆と地上作戦で報復し、ガザでは1万1500人が死亡した(包囲されたパレスチナ自治区ハマスが運営する当局によれば、数千人の子どもを含む)。

 

オルバン首相はイスラエルベンヤミン・ネタニヤフ首相と親密な関係にあり、イスラエルによるガザへの軍事攻撃を全面的に支持している。

 

アンケートの質問のうち4つは隣国ウクライナに関するものだ。

 

それらは、ウクライナEU加盟の可能性、EUウクライナにより多くの武器を送り、財政的に支援する計画、ハンガリーによるウクライナ産農産物の輸入禁止に関するものである。

 

ブダペストは、ウクライナのトランスカルパティア地方に住む少数民族ハンガリーの権利をめぐってキエフとの関係を緊張させている。

 

一方、オルバンはロシアが2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始して以来、クレムリンとの緊密な関係を維持している。

 

調査の最後の質問では、「ブリュッセルや海外からの資金」がハンガリーの政治に影響を与えるために使われていると主張している。

 

政権与党のフィデス党は今年初め、外国の干渉から「国の主権を守る」ための法案を作成中だと発表した。

 

市民は1月10日までにアンケートを郵送で返送するよう求められている。

政府のアレクサンドラ・シェントキラリイ報道官はフェイスブックで次のように述べた。

 

オルバン政権がEUの政策について全国的なアンケートを実施するのは、今回が初めてではない。

 

ハンガリーは昨年、EUの対ロシア制裁に関する国民的協議を行った。

郵送費と印刷費だけで27億フォリント(770万ドル)に上った。

最終的に、ハンガリー有権者800万人のうち140万人(17.5%)がアンケートに回答した。

その回答に基づいて、政府はハンガリー人の97%がロシア制裁に反対していると主張した。