「ひとつの恐怖は別の恐怖を正当化しない」 EUがイスラエルに声明

写真 2023年11月14日、ベルギーのブリュッセルでメディアと話す欧州連合EU)のジョゼップ・ボレル外交部長。© AP / Virginia Mayo

【RT】2023年11月17日

https://www.rt.com/news/587453-israel-horror-josep-borrell/

EUのトップ外交官が、紛争の両側における「人間の苦しみに衝撃を受けている」と述べた。

欧州連合EU)のジョゼップ・ボレル外交政策総局長は、10月7日に発生したハマスによる襲撃事件に対する「怒りに飲み込まれない」ようイスラエル国民に呼びかけ、1つの暴力行為が他の暴力行為を正当化することはできないと主張した。

 

先月イスラエルパレスチナ武装勢力との間で戦争が勃発して以来、初めてイスラエルを訪問したボレルは、ユダヤ国家との連帯を表明する一方で、イスラエル軍に対し、ガザのハマス一掃作戦を自制するよう求めた。

 

「あなた方の怒りは理解できるが、怒りに飲み込まれないようにお願いしたい: 「ここからそう遠くないところにガザがある。一つの恐怖が他の恐怖を正当化することはありません」

 

11月16日(木曜日)にイスラエルに到着したボレルは、先月のハマスの奇襲攻撃で地元の人々が虐殺されたキブツ・ベエリを視察した。イスラエル当局によれば、過激派組織は10月7日、同コミュニティの住民130人を殺害したという。

 

「私は、イスラエル人にとってキブツがどのような意味を持つのか知っています」とEU高官は続け、自身が1960年代に農業共同体の一種であるキブツに住んでいたことを引き合いに出した。

 

ボレル氏とともにベエリに向かったイスラエルのイーライ・コーエン外相は、イスラエルの犠牲者だけでなく、イスラエルによるガザへの報復攻撃で殺害されたパレスチナ人についても、最終的にはハマスがすべての責任を負うという政府の姿勢を繰り返した。

 

「この残虐行為、10月7日の大虐殺、その後に始まった世界、そしてガザの人々の苦しみの責任は、イランがスポンサーとなっているハマスにしかない」

 

ガザ保健省によれば、イスラエル空爆と地上作戦によって、11,500人以上のパレスチナ人が命を落とし、さらに数千人が負傷している。

イスラエル当局によれば、ハマスによる攻撃で、外国人を含む約1,200人が死亡、200人以上が人質に取られたという。

 

ボレルはまた、来週11月13日(月曜日)に予定されている4日間の中東歴訪の一環として、カタールのタミーム・ビン・ハマド・アル・タニ首長との会談でパレスチナ人の苦境について話し合うことを誓った。

 

ドーハはハマスの政治指導部と緊密な関係を保っており、武装集団に連れ去られた人質の解放に尽力してきた。