EUのエネルギーシステムは「不安定」 - ガスプロム

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【RT】2023年10月5日

https://www.rt.com/business/583982-eu-energy-system-unstable-gazprom/

 

EU圏が天然ガス不足に直面する可能性、ロシア企業トップが警告

EUのエネルギーシステムは不安定であり、天然ガス不足に直面する可能性があると、ロシアのエネルギー大手ガスプロムの上級管理職が10月3日(火曜日)に述べた。

 

かつてはEUの主要ガス供給国であったガスプロムは、欧米の制裁とノルド・ストリーム・パイプラインの破壊工作を受け、昨年EUへの輸出を大幅に減らした。

 

バルト海の下を通り、ロシアからEU天然ガスを運んでいたノルド・ストリーム1号パイプラインと、新たに建設されたノルド・ストリーム2号パイプラインは、昨年9月に水中爆発で破裂し、稼働不能となった。

 

ガスプロムのセルゲイ・コムレフとアレクサンドル・シャピンは社内誌で、「システミックな赤字が解消していないことは、2023年の価格水準がコビッド以前と比べて高いだけでなく、天然ガス市場で安定したコンタンゴが続いていることからも明らかだ」と述べた。

 

「このような価格動向は、市場参加者によれば、緊急事態に備えて構築された欧州のエネルギー安全保障システムが不安定であり、新たな課題に直面していることを意味する」とガスプロムのマネージャーは述べた。

 

昨年、EUはロシア産エネルギーへの依存を減らし、米国を含む国々からのLNG輸入に切り替えた。

 

ガスプロムの幹部は、ロシアとの関係が断ち切られたことで、主に長期契約に基づいて供給されるパイプライン・ガスに比べて「信頼性の低い」LNGの割合が急増したため、EUのエネルギー安全保障が弱体化したと述べた。

 

また、欧米の経済学者や政治家の中には、より高価で環境にやさしくないLNGに切り替えることのデメリットを指摘し、ノルド・ストリーム妨害行為をEU全体を標的にした「経済戦争」の一幕と呼ぶ者もいる。

 

ロシアはウクライナ紛争が始まる前、主にパイプラインを通じてEUに約155bcmの天然ガスを供給していた。2022年には、EUへのロシアのパイプラインによるガス供給は60bcmに減少し、EU域内ではさらに20bcmまで減少すると予想されている。