ゼレンスキー氏、ウクライナの民間投資の運用をブラックロックに委託

   

ブラックロックCEOのラリー・フィンク氏。YouTubeスクリーンショット

 

【フリーウエストメディア】2022年12月2日

https://freewestmedia.com/2022/12/01/zelensky-entrusts-management-of-private-investments-in-ukraine-to-blackrock-2/


ウクライナ政府は「経済の再起動」のため、アメリカの投資会社ブラックロックと手を組むことになった。

 

11月10日に覚書が締結され、ウクライナ経済省が翌日発表した。

この合意は、民間資本を誘致するためのプラットフォームの構築に関するものである。

 

ワシントンで署名された覚書は、投資プラットフォームがウクライナ政府に提供されることを意味する。

 

設立は「ブラックロックのグループ会社であるファイナンシャル・マーケッツ・アドバイザリーが経済省と協議して策定するロードマップ」に従って行われる予定だ。

 

声明では、ブラックロックが「プラットフォームの構造、権限、ガバナンス」に焦点を当てた助言を行うとしている。

 

このプラットフォームは、「ウクライナ経済の主要部門への投資を促進することに重点を置く」と、声明は続けている。

 

「戦争がウクライナへの投資を妨げることはないということを全世界に示すことは、我々にとって非常に重要なことだ。

 

ウクライナのユリア・スヴィリデンコ経済大臣は、「結局のところ、投資は将来の迅速かつ効果的な経済回復の鍵なのです」と述べている。

 

ブラックロックFMA部門(Financial Markets Advisory)との協業には大きな期待を寄せている。

 

このリスタートプラットフォームが、経済の主要部門に投資を動員する効果的なメカニズムになることを期待している」とも述べている。

 

この覚書は、2022年9月に行われたウラジーミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領とブラックロックCEOのラリー・フィンク氏との話し合いに続くものである。

 

彼らは、ブラックロックFMAウクライナ政府の利益のために「プロボノ」アドバイザリー業務を行う可能性について議論した。

 

この任務では、「復興ファンドの組成、投資プロセス、ガバナンス、ファンドのために調達した資金の使用」に焦点が当てられるという。

 

ブラックロックの子会社はすぐに救いの手を差し伸べた。

 

契約締結からわずか1週間後、ファンドマネージャーは、オーストラリアの鉄鉱石王アンドリュー・フォレスト氏がウクライナ支援のために250億ドルの国際投資ファンドを立ち上げると約束した5億ドルについて、いわゆる「デューデリジェンス」(企業調査)に参加したのである。

 

ゼレンスキー氏によると、「アンドリューと私は、共産主義時代のロシアのインフラを置き換えるのではなく、最新技術に一歩踏み出すということで合意しました」と言う。

 

さらに、「ロシアが破壊したものを、最新のグリーンでデジタルなインフラに簡単に置き換えることができるというメリットがある」と述べている。

 

 

■■ ブラックロックに「売却」されたウクライナ

 

ブラックロックは、「2008年4月の金融危機の後、世界中の政府、中央銀行、金融機関に専門的な支援を提供するために」金融市場アドバイザリーを設立した。

 

米企業のウェブサイトによると、「ブラックロックの伝統的な資産運用事業とは別個の独立した事業」だという。

 

ウクライナ戦争の最初の数週間で、ブラックロックは170億ドルの損失を記録した。

 

フィナンシャル・タイムズによると、世界的な資産運用大手が運用するロシア証券の評価額は、1月末の18,2億円から2022年2月28日には10億円に減少した。

 

ブラックロックウクライナの覚書の調印は、ほとんど注目されなかった。

ツイッターでは、ゼレンスキーがウクライナを米国に「売った」とネットユーザーが非難している。

 

フランスの政治家フランソワ・アスリノーは、「『ウクライナの自由のための闘い』の背後にあったものはそれだった」と指摘する。

 

ウクライナ政府とブラックロック社の今回の合意は、ヨーロッパ諸国が、武器販売やガス輸出を通じ、ヨーロッパを犠牲にして戦争から利益を得ている米国を非難している時に発表されたものでもある。