英国の動物園、エネルギー危機で閉鎖の危機



一般公開最終日のブリストル動物園のドアに掲げられた看板

© Getty Images / Beresford Hodge - PA Images

 

 

英国の動物園では維持費が高騰し、安楽死を余儀なくされる動物が出ることが懸念されている。

 

 

英国の接客業が、エネルギー価格の高騰により5分の1の企業が倒産する可能性があると警告する中、動物園では動物の飼育場の維持費が維持できなくなり、全国で閉鎖の危機が迫っている。

 

先週、186年間、開園している世界最古の動物園の一つであるブリストル動物園が、財政難から最後の門を閉じた。

 

一部の動物はイギリスの野生動物保護公園に移されるが、多くの動物は世界中の動物園に送られることになる。

 

2万匹以上の動物を飼育しているイングランド北西部のチェスター動物園では、通常150万ポンド(約173万円)程度の年間エネルギー費が、今年は200万ポンド(約230万円)に上昇し、2023年には300万ポンド(約346万円)にも跳ね上がる見込みだと、動物園のジェイミー・クライストンCEOは報告している。

 

 

コモドドラゴンに毛糸のジャンパーを着せることはできない。これらの動物が成長する温度を維持しなければならない」と、iNewsが引用している。

 

 

また、クリストン氏は、生活費危機が来場者数に影響を与えていると指摘し、「人々はまだポケットにお金を持っているが、その使い道に非常に慎重になっている」と述べ、「来年は、おそらくそのお金はないだろう」と示唆した。

 

 

一方、Southend-on-Seaにあるシーライフのオーナー、フィリップ・ミラー氏は、年間の電気代が24万ポンド(276kドル)から3/4万ポンド(863kドル)近くまで上昇したため、彼の「動物園」にいる動物の一部を安楽死させなければならないかもしれないとiTvに語っている。

 


「この番組では、賞金としてエネルギー料金を支払うことを提案しています。安楽死させるか、他の里親を探すかですが、他の動物園も同じような状況になると思います」と、動物園のオーナーは語った。

 

 

英国の他の企業や慈善団体と同様に、動物園も英国政府が定めたエネルギー価格の上限設定の恩恵を受けていない。

動物園の経営者や遊園地の経営者は、新首相のリズ・トラスが率いる新政権がこの問題に取り組んでくれることを望んでいる。

 

 

「私たちを安心させてくれ、そして国民を暗澹たる気持ちにさせてくれ、トンネルの先の光が消されることはないのだ」と、サウスエンド・オン・シーのハピドローム遊園地のオーナーは、すでに冬期閉鎖に追い込まれていることから、こう語っている。