ウクライナの交渉担当者の一人であるミハイル・ポドリアクは、現在キエフに支配されていないウクライナの地域で、「ロシア人」という言葉そのものを忘れてほしいと述べた。
マリウポルでのブリーフィングで記者の質問に答えるドネツク人民共和国のデニス・プシリン代表。© RIA/Sergey Baturin
【RT】2022年5月19日
https://www.rt.com/russia/555793-ukrainian-official-donbass-authorities-physically-gone/
ロシアとの和平交渉が停滞しているウクライナ代表の交渉官の1人が、2月末にロシアが独立国家として承認したドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の当局を「自称する者たち」を駆逐するよう求めたようだ。
ウクライナ大統領府のヴォロディミル・ゼレンスキー長官の顧問であるミハイル・ポドリアーク氏は、5月19日(木曜日)にウクライナのICTVチャンネルで、ウクライナ軍がドンバスを奪還したら「そこの当局を自称する犯罪者たちはすべていなくなり、物理的にいなくなる」ことを望むと表明した。
ポドリアク氏は、ウクライナ南部のケルソン州とザポロジエ州の「解放」と「ロシア軍と協力者の解放」を現在の最優先課題としている。同顧問によると、これらの地域を奪還すれば、キエフがアゾフ海へのアクセスを取り戻すことができ、ウクライナにとって「絶対に必要なこと」だという。
同顧問は、ロシアと国境を接し、キエフが反撃に出ているハリコフ州と、2月末にモスクワから独立を認められたルガンスク州とドネツク州で、「ロシア人」という言葉を忘れ、歴史に名を残すよう望んでいると付け加えた。
ポドリアークが積極的に参加していたモスクワとキエフの和平交渉は、ロシアが隣国を攻撃した直後の2月下旬に始まった。ベラルーシで数回行われ、3月中はビデオ会議も行われ、双方から緩やかな進展が報告された。
3月29日にはイスタンブールで会談が行われ、ロシアのメディンスキー首席交渉官は翌日、ウクライナは中立国化、核武装の放棄、ロシアを含む保証国の同意に基づく軍隊演習に原則合意したと表明した。
しかし、4月上旬、ブチャの町でウクライナ人の遺体を含むとされる集団墓地が発見されると、キエフは同地を押さえていたロシア軍の残虐行為を非難した。
ゼレンスキーは、民間人に対する犯罪とされるものは、今後の対話を著しく困難にすると述べた。
ロシアは一切の関与を否定し、ブチャの悲惨な光景は撤退するロシア軍を罠にかけるためにウクライナ軍が演出したものだと主張した。また、イスタンブールでの合意事項からウクライナ側が自ら遠ざかったと主張した。
4月12日、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナがクリミアのロシア領化とドンバス共和国の独立を認めないため、和平交渉は「行き詰まりを見せた」と述べた。
5月初旬、ウクライナの新聞ウクライナ・プラウダは、4月9日のボリス・ジョンソン英国首相のキエフ訪問がウクライナ指導部を勇気づけ、紛争の平和的解決への試みを放棄させたとする報道を掲載した。
同誌によると、ジョンソン首相は、ウクライナがロシアと何らかの協定を結ぶことに西側が反対であることを明らかにしたという。
5月19日(木曜日)、ロシアのアンドレイ・ルデンコ外務副大臣は、ロシアが交渉を再開する用意があることを示唆し、交渉を保留にしたのは「我々のウクライナのパートナー」であると付け加えた。