お隣のヤギが死んだ

お隣のヤギ、ユキちゃんのお母さんが狂犬病を発症して、直接的には今日マノイベンが殺して死んだ(と言ったと思う。ビサヤ語メインのマノイベンとビサヤ語あまり分からない私との話なので正しいかどうか分からないが)。今日、通りかかったときにマノイベンから聞いて驚いた。悲しかった。
“私はすごい悲しいよ”とビサヤ語で言うと、マノイベンもうんうんと頷いていた。
すでに、ユキちゃんのお母さんはいつもいた場所に埋められていた。

ユキちゃんのお母さんは2,3か月前に外から来た狂暴な犬(それが狂犬病のキャリアかどうかは分からないが)に噛まれて、数日動けないほどのけがを負ったことがある。そのときのケガが原因なんだろうか。噛まれたというのはそのときしか知らないので本当に狂犬病だったのであればそれが原因だろうけど、そうすると発症までが非常に長かったことになる。

そしてユキちゃんは一人ぼっちになってしまった。今日は小屋にいる所を見たが、可哀そうだ。お母さんが死んだことを認識できるのかどうかは分からない。
ユキちゃんも今月24日で1歳になる。ユキちゃんが生まれてからは私もお隣のみんなもすごく喜んで、楽しい日々だった。
うちのチャオ(もうすぐ5か月)がもう少し大きくなったらユキちゃんも子ヤギを産めると思うけど、どうだろうか。

それにしても、そもそもユキちゃんのお母さんは狂犬病だったのだろうか。私は狂暴になったり錯乱しているようなところを一度も見ていないし、それらしき様子がなかった。私としては死因は狂犬病ではないんじゃないかと思える。
犬に噛まれるよりもっと数か月前から激やせして、皮膚病が拡大したり妙に弱々しかったりで、衰弱していっているのは見ていてよく分かった。チャコと同じ年か少し若いぐらいなのに、弱りすぎていて生命力がないのを感じていたので、長くは生きないだろうとは予想していた。だいぶ前に激やせし始めたときから病んでいたのではないかと思う。

しかし死因はなんであれ死んでしまったことには違いないし、私たちが引っ越ししてきたときからいて、最初に知り合ったヤギだったのでいなくなるとさみしい。

こっちの人は犬猫にしろヤギにしろ、死因とか行方不明とか事の真相は気にしていないし、ペットロスとかになりようにない程度の接し方なので、あまり深く考えていないと思う。そもそもペットが事故や病気で死ぬ率がものすごく高い。生まれたり、貰ったり、買ったりしてはどんどん死んでいる。行方不明も多い。日本とは比較にならないほど雑な扱いだ。

私は日本は行き過ぎていると思えるし、こっちは雑すぎると思うし(私の子ども時代は今のボホール的な感じだった)、個人的にはその中間ぐらいでいいんではないかと思っている。人間や自分の子どものように動物を扱うのは違うと思うし、でも自分が世話を委ねられている命ある存在なんだからちゃんと大事にして世話をしないといけないと思っている。

ユキちゃんのお母さんの件は、ちょうど夕方、Rさんたちと妹さんご家族、お友達ご家族がうちのチャコたちを見に来てくれたときに聞いたことだった。最初に思わぬヤギの埋葬を見る羽目になってしまい、驚かれたかもしれない。
そのとき、うちのチャコ、チャオ、クーコは特に食べるのに夢中の時間で、子どもたちが触ったり相手しても黙々と食べてばっかりだった。人懐っこいチャオが若干、彼らの手をなめたり噛んだりしていた様子。

ヤギはなぜかオスが人懐っこい。イスロ家の弟ヤギも2,3週間前からいなくなってしまったので(人にあげたと思われる。その少し前には妹ヤギもあげてしまっていたので2匹減った)うちの周辺でヤギが減ってしまいそう。