トランプ関税により英国最後の製鉄所が閉鎖に追い込まれる可能性

ファイル写真:英国スカンソープにあるブリティッシュ・スチール・スカンソープ工場の全景。© Christopher Furlong / Getty Images

【RT】2025年3月31日 09:24 ホーム世界ニュース

https://www.rt.com/news/614994-britain-steel-plant-close/

この措置により英国は自国でバージン鋼を生産できなくなり、完全に輸入に頼ることになる。

 

 

英国で唯一残っているバージン鋼の生産者は、ドナルド・トランプ大統領による鋼材輸入への25%関税の導入など「厳しい市場環境」を理由に、最後の工場を閉鎖する計画を発表した。

 

 

トランプ大統領は先月、主要金属の輸入に広範囲な関税を課し、

米国に持ち込まれるすべての鉄鋼とアルミニウムに関税を課し、3月12日から施行する。

 

 

「非常に厳しい市場環境、関税の導入、高炭素鋼の生産に関連する環境コストの上昇により、高炉と製鋼事業はもはや財政的に持続可能ではない」とブリティッシュ・スチールの声明には記されている。

 

中国の所有者である景業が2020年以降12億ポンド以上を投資したにもかかわらず、スカンソープ工場の損失は1日あたり70万ポンド(90万ドル)に達した。

 

この発表は米国の関税発効からわずか数週間後、景業と英国政府の間で救済策をめぐる行き詰まりの中で行われた。

 

ロンドンは、コストのかかる移行により英国の外国供給への依存が高まるとの警告にもかかわらず、生産者に電気アーク炉(EAF)などのより環境に優しい技術への切り替えを促している。

 

地元メディアは先週、ジンイエがロンドンの最新の5億ポンドの補助金提案を拒否したと報じた。同氏は、新しい炉の費用は20億ポンド以上で、その半分はロンドンが負担すべきだと主張した。

 

 

ブリティッシュ・スチールは、労働組合と人員削減協議を開始すると述べ、3つの選択肢を検討している。

 

ロンドンとの合意に至らなければ6月に閉鎖、資金が調達されれば9月かそれ以降に一時閉鎖する。

 

同社は、2,000人から2,700人の雇用が危険にさらされていると指摘した。

 

 

英国のサラ・ジョーンズエネルギー相は3月24日(木曜日)、議会に対し、ロンドンは同社が交渉のテーブルに戻ることを望んでいるが、鉄鋼メーカーの国有化の可能性を含め「あらゆる選択肢を検討している」と述べた。

 

ジョナサン・レイノルズ経済相は、政府は解決策を見つけるために「精力的に取り組んでいる」と述べた。

 

かつては30万人以上の雇用を擁する世界的産業リーダーだった英国の鉄鋼部門は、現在では同国経済のわずか0.1%を占めるに過ぎない。


インド資本のタタ・スチールは昨年、ウェールズのポート・タルボットにある最後の高炉2基を閉鎖すると発表した。

 

しかし、タタはその後、高炉を電気炉に置き換える12億5000万ポンドの計画の一環として、政府から5億ポンドの補助金を確保した。

 

電気炉は2027年に稼働を開始する予定だ。