米国、セルビアを「深層凍結」で威嚇-メディア

米国人スパイが、ベオグラードの「親ロシア派」チーフの件で同僚をボイコットすると報道された。

 


ファイル写真。ベオグラードでの会議を前にした米国とセルビアの国旗

(2023年1月12日)© AP Photo/Darko Vojinovic

 

【RT】2023年1月13日

https://www.rt.com/news/569845-serbia-spies-cia-russia/

 

米国はベオグラードのスパイ長官選に不満を抱いており、セルビアが「人事案」を再考するまで情報協力を停止する意向だと、地元CNN系列局N1が1月13日(金曜日)に無名の外交筋の話を引用して主張した。

 

アレクサンダル・ヴーリンは12月上旬に治安情報庁(BIA)の長官に就任した。彼は以前、内務省の責任者だったが、内閣改造の一環として、元BIAのブラティスラフ・ガシッチと入れ替わった。

 

N1によると、米国はセルビアに対し、この人事を不承認とする意思表示を繰り返しており、最近では先週行われたクリストファー・ヒル大使とイヴィツァ・ダチッチ外相との会談で、この人事を認めたという。

 

「信頼できる情報筋によれば、ヒルはBIAと米国情報機関との協力関係を「完全に凍結」すると脅し、ヴーリンがワシントンにとって「大きな問題」であると指摘したという。

 

ヒルはダチッチに、米国は代わりに内務省と協力することを望んでいると伝え、ダチッチはガシッチがすぐにワシントンを訪問するように手配すると答えたという。


CNN系列局は、米国がヴーリンを親ロシア派とみなしていると主張している。

その証拠として、N1は、ヴーリンが警察を担当していた時に、ロシアの国家安全保障会議のニコライ・パトルシェフ長官と何度も会っていたことを指摘した。

 

また、ロシアの野党活動家ヴラディミール・カラ‐ムルザ氏が、ヴーリン氏がモスクワのために自分を盗聴したと告発したことを持ち出した。

 

ヴーリン氏はこの疑惑を否定し、カラ-ムルザ氏を名誉毀損で訴えると述べた。

 

先週、ヒル氏とダチッチ氏が会談した後、セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領は、ベオグラードにはスパイがうようよいると不可解な発言をし、セルビアの首都を、第二次大戦中の有名なハリウッド映画にちなんで「新しいカサブランカ」呼ばわりした。

 

地元放送局TV ピンクのインタビューで、ヴチッチ氏は、第二次世界大戦以来、この街であれほどの諜報活動が行われたことはなく、外国の諜報員が「明らかに様々な準備をしている」と述べたが、その出身国や目的を明言することはなかった。

 

ベオグラードは公式にEU加盟を目指しているが、ウクライナ紛争をめぐるブリュッセルやワシントンからの対モスクワ制裁の要求を断固として拒否している。

また、米国が15年近く主張してきたコソボ独立国家の承認も拒否している。