【ロシア】ルーブルが世界で最もパフォーマンスの高い通貨に選ばれた

ブルームバーグによると、ロシアの通貨は今年の成長率で主要31カ国を上回ったという。

 

   

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ロシア・ルーブルが2022年に入ってからの成長率で主要31通貨を上回り、世界で最もパフォーマンスの高い通貨になったと、ブルームバーグが5月2日に報じた。

 

同誌によると、ルーブルは対米ドルで年初から11%以上強含みで推移している。国際通貨市場では、ルーブルの為替レートはこれまで約12%というさらに大きな伸びを示している。

 

5月12日のモスクワ取引所での取引では、為替レートは対米ドルで65.07ルーブル、対ユーロで68ルーブルまで下がり、後者に対しては2020年1月以来の高値となった。

 

ロシアの通貨は、同じく約9%の大幅な伸びを示したブラジルレアルを動きの面で追い越した。最も好調な通貨ランキングの3位はメキシコペソで、対ドルでは1%の伸びを示した。

 

ウクライナ紛争をめぐり、米国とその同盟国がロシアに厳しい経済制裁を課したことで、ルーブルは3月にドルとユーロに対して歴史的な安値まで下落した。

 

しかし、政府が相次いで支援策を導入したことでロシアの通貨は劇的に上昇し始め、その後も上昇基調を続けている。一時的な資本規制の導入に加え、ロシア財務省はロシアの輸出企業に対し、外貨収入の8割を売却することを義務づけた。

 

また、ガス輸出代金にルーブルを使用する仕組みを導入したことも、ルーブルの安定化につながり、市場での通貨供給量を増やし、ルーブル需要を押し上げることになった。

 

他の国、特にトルコとアルゼンチンも最近資本規制を導入したが、ロシアと同じ結果を得ることはできなかったとブルームバーグは指摘している。2022年に入ってから、トルコリラは対ドルで13%下落し、アルゼンチンペソは12.3%の下落となっている。