民間航空の安全性は1960年代の40倍に - 研究結果

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【RT】2024年8月12日 ‐12:44 ホームワールドニュース

https://www.rt.com/news/602485-civil-aviation-safer-study/

民間航空機による死亡リスクは、過去60年間、10年ごとに半減していると研究者が推定した。


マサチューセッツ工科大学(MIT)の最新の研究によると、大規模な民間航空便が就航した初期から、航空機の安全性は大幅に向上している。

 

ジャーナル・オブ・エア・トランスポート・マネージメントt誌に掲載された研究で、著者らは民間航空旅行における搭乗者1人あたりの死亡リスクを分析し、1960年代後半の大量航空旅行の黎明期に比べ、現在では約39倍も安全になっていることを明らかにした。

 

例えば、民間航空旅行における死亡リスクは、1968-1977年には世界全体で35万人の乗客搭乗につき1人であったが、2018-2022年の期間では1370万人の搭乗につき1人であった。

 

「航空機の安全性は向上し続けています」と、この研究の共著者である航空旅行の安全性の第一人者であるMITのアーノルド・バーネット教授は述べている。

 

「この研究を共同執筆した航空安全の第一人者であるアーノルド・バーネットMIT教授は次のように述べている。しかし、航空旅行中に死亡する確率は毎年約7%ずつ下がり続けており、10年ごとに2分の1ずつ下がり続けている」と付け加えた。

 

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研究者たちは、航空安全の傾向を「ムーアの法則の航空版」になぞらえた。

 

ムーアの法則とは、インテルの共同創業者ゴードン・ムーアが予測したもので、チップの計算能力はおよそ18カ月ごとに倍増するというものだ。

 

これを念頭に置き、1960年代後半から10年ごとに民間航空の安全性は約2倍になったと推定した。

 

この研究では、この傾向の背後にある理由については掘り下げていないが、バーネットによれば、航空安全の向上に寄与するいくつかの要因があるという。

 

その中には、航空機の衝突回避システムなどの技術的進歩、乗務員訓練の改善、航空監視団や安全委員会の活動などがある。

 

研究者たちは、航空機の安全性が全体的に向上しているにもかかわらず、世界のいくつかの地域は、他の地域よりも商業飛行にとって危険なままであると警告している。

 

例えば、米国、欧州の大部分、オーストラリア、カナダ、中国、イスラエル、日本、ニュージーランドは、中東、南米、南アフリカのほとんどの国や、韓国、台湾、タイ、トルコに比べて、2018年から2022年にかけて、搭乗者1人当たりの死亡者数が36.5倍少ないことが判明した。


研究者らは、フライトセーフティ・ファンデーション、世界銀行国際航空運送協会のデータを用いて計算した。